業務災害保険とは

業務災害保険とは

業務災害保険は、主に従業員の労働災害(以下、「労災」という)の補償と事業者が労災や雇用に関わる損害賠償責任を補償する保険です。政府の労災保険だけでは不足する補償をカバーします。ケガの補償については政府の労災保険の給付決定を待たずに保険金を受け取れます。

業務災害保険は、労災による事業者への賠償リスクに備えることで経営の安定化を図るとともに、福利厚生を充実させ、従業員が安心して働ける労働環境づくりにも寄与する保険といえます。

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業務災害保険の補償内容

業務災害保険は、従業員の業務災害補償、事業主の損害賠償責任補償、各種特約で構成されています。

主な補償内容

死亡補償保険金 業務中のケガ等により180日以内に死亡した場合に保険金が支払われる
後遺障害補償保険金 業務中のケガ等により180日以内に後遺障害になった場合、程度(等級)に応じて保険金額の一定割合の金額が支払われる
入院補償保険金 業務中のケガ等により入院した場合、入院日数分の保険金が支払われる
手術補償保険金 業務中のケガ等により所定の手術を受けた場合、一時金が支払われる
通院補償保険金 業務中のケガ等により通院した場合、通院日数分の保険金が支払われる
休業補償保険金 業務中のケガ等により180日以内に就業不能となった場合、就業不能日数分の保険金が支払われる

保険会社独自の特約もあり、多岐にわたります。下記特約は一例のため、保険会社に確認が必要です。

主な特約

フルタイム補償特約 業務中に限らず24時間補償する
※補償の対象を役員に限る保険会社もある
自動車搭乗中補償対象外特約 業務中に会社の車に搭乗して事故にあった場合、そのときのケガを補償対象外とする
※自動車保険の人身傷害保険や搭乗者傷害保険との補償の重複を避ける特約
疾病入院医療費用保険金特約 個別告知不要で業務中に発病した病気に加え、日常生活で発病した病気による治療費用、入院退院等の移送費、交通費等を補償する
※保険期間開始前にすでに発病していた病気等は補償対象外
使用者賠償責任補償 業務中のケガや業務に起因する疾病による障害について、事業者が負担する法律上の損害賠償責任を補償する
※政府の労災保険や自賠責保険で支払われる金額を超える損害賠償金や、損害賠償責任の解決のための訴訟費用、弁護士費用等が支払われる
雇用慣行賠償責任補償 ハラスメント行為等に対する管理責任や差別的行為・不当解雇等により、会社や役員等が法律上の賠償責任を負うことになった場合に補償される
事業主費用補償特約 死亡または後遺障害になった場合、事業主が臨時に負担した費用を補償する(葬儀費用、事故現場の復旧費用、求人採用に関わる費用等)
メンタルヘルス対策費用補償特約 業務が原因で労災認定された精神障害により休職した人への職場復帰支援や対策にかかる費用が支払われる
法律相談費用補償特約 従業員が業務に起因すると疑われる身体障害になった場合、(事業者が事前に保険会社の同意を得て)弁護士等への法律相談費用が支払われる

補償事例

補償事例
  • 高所作業中の建設作業員が転落して死亡した
  • 会社員が帰宅途中に階段から転落して負傷した
  • 会社員が長時間労働によりうつ病になり、入院して労災認定された
  • 電気工事作業員が作業中に感電死し、遺族からの損害賠償請求により賠償金を支払った
  • 退職した元社員から不当解雇だと訴えられ、裁判上の和解で未払賃金を支払った
  • 従業員へのパワハラにより、会社や役員が損害賠償責任を負い、賠償金を支払うことになった

業務災害補償保険の注意点

  • 保険期間は1年間。保険契約の更新時に年間売上高や補償対象者の人数、事故の有無等によって保険料が変動する
  • 保険料率は業種によって異なり、労災リスクが高い業種ほど保険料が高くなる
  • 従業員以外に役員、派遣社員、下請負人等を補償の対象とする場合は補償対象に含める必要がある
  • 保険会社や保険商品によって、補償内容、特約、契約方式に違いがある
  • 業務に起因する精神疾患・心疾患・脳血管疾患等は特約が必要な保険会社もある
  • 風土病や補償対象者が頸部症候群、腰痛等を訴えている場合であっても、それを裏付けるに足りる医学的他覚所見のないものは対象外
  • 必要な補償や特約の選択では、自動車保険や法人向け賠償責任保険等他の保険と補償が重複しないよう注意が必要

業務災害保険のメリット

業務災害保険のメリット
  • ケガによる補償は労災認定を待たずに補償される(業務に起因する疾病は労災認定が必要)
  • 補償内容に関する災害補償規程を作成すること等により法人を保険金受取人に指定できる
  • 被保険者への給付金は非課税
  • 従業員の福利厚生の一助になる
  • 建設業者の経営事項審査の加点対象になる
  • 公共事業に携わる事業者に必須となっている政府の労災保険の上乗せ補償になる
  • カウンセリングやストレスチェックサービス等保険会社による各種のサポートサービスを社員のメンタルヘルス対策として利用することができる
  • 商工会議所・商工会・中央会等の団体に加入している企業は低廉な保険料で備えることができる

業務災害保険と労災保険、労働災害総合保険との違い

業務災害保険

損害保険会社の業務災害保険は、任意加入の保険で、最近の労働災害の実態に対応した保険です。業務災害保険では、政府の労災保険では補償されない慰謝料、訴訟等にかかる事業主の費用、また、政府の労災保険では十分ではない休業補償、逸失利益等が補償されます。近年、労災による死亡や重度の後遺障害になった場合、政府の労災保険の補償だけでは損害賠償金に数千万円もの不足が生じた判例が実際にありました。使用者賠償責任等の特約も漏れなく備える必要があります。

労災保険

政府の労災保険は従業員が業務中や通勤中にケガをしたり、業務が原因で病気になったりした場合、それが労災に認定されると政府から給付金が支払われるという公的な保険制度です。事業者は雇用形態にかかわらず1人でも従業員を雇用したら原則として政府の労災保険に加入しなければならないことになっており、保険料は全額事業主の負担となります。

政府の労災保険の給付は、国民の生活保障のための重要な社会保障の一つですが、従業員等からの損害賠償請求に対しては十分な補償とはいえません。

労働災害総合保険

損害保険会社の保険には従来より旧来型の労働災害総合保険もあります。労働災害総合保険は法定外補償(死亡・後遺障害・休業補償)と使用者賠償責任の補償を組み合わせた保険で、どちらか一方だけ補償する契約もできます。政府の労災保険の上乗せの補償となる保険で、政府の労災保険の支給が決定された場合に限り保険金が支払われます。

労働災害総合保険の注意点

  • 政府の労災保険の支給決定を補償条件としているため、迅速な保険金の支払いはできない
  • 役員は補償対象外(政府の労災保険に特別加入する役員は特約で補償対象にできる)
  • 入院や通院を補償する特約はない
  • 通勤災害は基本補償では補償対象外、特約で補償する
  • ハラスメントや労働条件の権利侵害等労務関連の損害賠償は補償対象外

まとめ

まとめ

業務災害保険は、特にケガのリスクが高い建設業、運送業、製造業等の業種に必要性が高く、実際に多くの企業が加入しています。
一方、働き方改革に伴い事業者の労務管理におけるリスクも高まっており、そのリスクコントロールの手段としてあらゆる業種で業務災害保険の必要性が増してきています。

近年、事故による災害は減少傾向にある一方で、過重労働やハラスメントによる精神障害、不当解雇による訴え等の労災リスクが増加しているため、事業者には労働環境の健全化が厳しく求められています。判例を見ると、労災をめぐる民事訴訟で数千万円からおよそ2億円という高額の損害賠償事例があることから、万が一の労災事故が起きた場合、政府の労災保険だけでは事業者の責任を果たすには不十分です。実際に政府労災不足分を業務災害保険でカバーできたケースもあることから、安心かつ安定した事業運営を行うためにも業務災害保険への加入は欠かせないものと言えるでしょう。

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