法人向け賠償責任保険とは

法人向け賠償責任保険とは

事業活動において他人の身体や財物に関わる事故を起こした場合、事業者は損害賠償責任を負う可能性があります。事業活動を取り巻く損害賠償責任のリスクは多様化しており、事業環境等によって異なります。そのため、事業者向けの賠償責任保険には、さまざまなリスクに対応した豊富な種類の保険商品があります。

  • ※本文記載の補償事例等はあくまで一例であり、実際に補償対象かどうかは保険会社の個別判断となりますのでご注意ください。

法律上の賠償責任とは

他人の権利を侵害する行為や債務の本旨にしたがった履行をしない行為等によって損害を与えた場合には、加害者は、被害者に対してその損害を補償し、損害がなかった場合と同じ状態にしなければならない責任を負います。これを法律上の賠償責任といいます。

法律上の賠償責任が問われるケースとして、主に「不法行為に基づく賠償責任」「債務不履行に基づく賠償責任」「製造物責任に基づく賠償責任」があります。不法行為の場合、法律上の賠償責任の成立要件としては、原則として加害者に故意または過失があることとなっています(製造物責任の場合は、製品の欠陥を要件としています)。

賠償責任保険では故意は免責事項に該当することから、賠償責任保険は一部の例外を除いて、被保険者の過失による賠償責任を補償する保険といえます。

一例として不法行為責任の成立要件を記載します。

不法行為責任の成立要件と事例
故意または過失があること
  • 自動車を運転中にハンドル操作を誤り、他人の自動車に衝突し、損壊してしまった。
  • スマートフォンを操作しながら自転車に乗り、前方を見ていなかったために、通行人と接触しケガを負わせてしまった。
他人の権利を違法に侵害すること
加害者に責任能力があること
加害行為と相当因果関係のある損害が発生していること

法人向け賠償責任保険の補償内容

賠償責任保険は、他人の身体の障害または財物の損壊について、被保険者が法律上の損害賠償責任を負担することによって被る損害に対して補償する保険ですが、以下の場合のように保険金が支払われないこともあります。

法人向け賠償責任保険に共通する保険金が支払われない主な場合

  • 契約者または被保険者の故意によって生じた賠償責任
  • 地震・噴火・洪水・津波または高潮に起因する賠償責任
  • 被保険者の使用人が、被保険者の業務従事中に被った身体障害(労災事故)に起因する賠償責任

また、賠償責任保険にはその補償範囲を拡大する共通の特約があります。

法人向け賠償責任保険に共通する主な特約内容
被害者治療費等補償特約 事故の被害者に支払った治療費等を補償する。原因調査中でも素早く支払われ、トラブルの拡大を防ぐことができる。損害賠償責任が発生しなかった場合も支払われる。
訴訟対応費用補償特約 被害者から訴訟を起こされた場合等にかかる、訴訟・調停等の対応に必要な諸費用を補償する。損害賠償責任が発生しなかった場合も支払われる。
初期対応費用補償特約 事故状況の調査費用、事故現場の取片付け費用等、事故の初期対応費用を補償する。損害賠償責任が発生しなかった場合も支払われる。
  • ※商品や特約の概要を明示しています。詳細な補償内容については弊社までお問い合わせください。

法人向け賠償責任保険の種類

施設所有(管理)や業務遂行に伴う賠償責任の補償内容

施設所有(管理)や業務遂行に伴う賠償責任の補償内容

所有(管理)する施設や業務遂行において、他人の身体や財物に関わる事故を起こし、被保険者が法律上の損害賠償責任を負担することによって被る損害を補償します。

主な補償事例

  • 自社ビルの外壁が落下し、通行人がケガをした
  • 自転車で配達中、通行人とぶつかりケガを負わせた
  • 店舗の床が濡れていたため、お客さまが滑って転び、ケガをした
  • レストランでウェイターが熱い飲み物をこぼし、お客さまがやけどを負った
  • 工場で爆発事故が発生し、通行人がケガをし、近所の家屋も破損させた

施設の所有(管理)や業務遂行における賠償責任はさまざまなリスクが想定されます。基本契約で補償されないリスクに対応するためには、特約を付帯したり、他の保険種類に追加加入したりすることで対応します。

基本契約では補償されないが、特約や他の保険種類で対応する事例
漏水事故で、階下の店舗を水浸しにした 漏水補償特約で補償する
漏水事故で、階下の店舗に損害はなかったが、一定期間店舗を休業せざるを得なくなった 使用不能損害拡張補償特約で補償する
家電の販売業者が冷蔵庫を購入したお客さまの自宅で設置作業を行った際に、設置する場所の壁を傷つけてしまった 管理財物損壊補償特約で補償する
定期点検を怠ったため、エレベーターが緊急停止してしまい、中に乗っていた人が倒れてケガをした 昇降機危険補償特約や昇降機賠償責任保険で補償する
工場内のフォークリフトで材料を運搬中、工場見学者にぶつかりケガをさせてしまった 構内専用車危険補償特約や自動車保険で補償する
社有車を運転中に事故を起こし、歩行中の人にケガを負わせてしまった 自動車保険で補償する
  • ※商品や特約の概要を明示しています。詳細な補償内容については弊社までお問い合わせください。

施設所有(管理)者賠償責任保険の注意点

  • 保険会社によって対象となる業種、補償内容や特約の内容に違いがあるため注意が必要
  • 対象外業種(建設工事業、旅館・ホテル、塾、介護サービス業、LPガス販売業、医師や弁護士等の士師業等)には専門商品がある

生産物賠償責任保険の補償内容

生産物賠償責任保険の補償内容

提供する生産物(販売・サービスも含む)によって、他人の身体に障害を与えた、または財物を損壊した場合に、被保険者が法律上の損害賠償責任を負担することで被る損害を補償します。主な対象業種は製造・販売業、飲食業、建設業等です。

主な補償事例

  • 製造した椅子の欠陥が原因で、お客さまがケガをした
  • 輸入販売した充電器の不具合が原因で火災が起こった
  • 販売した食品を食べたお客さまが食中毒になった
  • 防水工事の欠陥が原因で水漏れが起こり、お客さま宅の内装や家財に損害を与えた
  • 看板の取付け工事完了後、作業の欠陥が原因で看板が倒れ、通行人がケガをした
生産物賠償責任保険の主な特約と事例
生産物自体の補償に関する特約 製造した自転車の欠陥が原因で対人・対物事故が発生した場合に、その自転車自体の修理費用の賠償責任を補償する。
リコール費用補償特約 生産物の回収等にかかる費用を補償する。
※リコール保険で補償する保険会社もある
食中毒利益補償特約 食中毒の発生や病原菌に汚染された疑いにより、休業した場合の営業利益等の損失を補償する。
不良完成品・不良製造品損害補償特約 菓子製造会社に納品した砂糖に異物が混入し、製造した菓子が不良品になった場合の納品先に対する賠償責任を補償する。
  • ※商品や特約の概要を明示しています。詳細な補償内容については弊社までお問い合わせください。

生産物賠償責任保険の注意点

  • 保険会社によって対象となる業種、補償内容や特約の内容に違いがあるため注意が必要
  • 保険期間は原則1年間

建設工事業者等の請負業者賠償責任の補償内容

建設工事業者等の請負業者賠償責任の補償内容

建設工事業者やメンテナンス業者等が行う工事・作業中の事故や、工事・作業のために所有、使用または管理する施設に起因する事故で、他人の身体に障害を与えた、または財物を損壊した場合に、被保険者が法律上の損害賠償責任を負担することで被る損害を補償します。

主な補償事例

  • 建設現場でクレーンから資材が落下し、他人の自動車に損害を与えてしまった
  • 解体作業中に、重機の操作を誤り、隣家の壁を損壊してしまった
  • 資材置き場の資材が崩れ、通行人がケガをした
請負業者賠償責任保険の主な特約と事例
管理財物損壊補償特約 電気配線工事中に誤って作業していた基盤を破損してしまった等、直接的な対象物等補償管理財物に対する賠償責任を補償する。
借用財物損壊補償特約 作業用にレンタルしていたパワーショベルを壊してしまった等、借用財物に対する賠償責任を補償する。
支給財物損壊補償特約 エアコンを取付け中に落として壊してしまった場合等、他人から支給された財物に対する賠償責任を補償する。
工事遅延損害補償特約 基本契約の事故が原因で工事が中断、遅延し、履行期日を一定期間超えてしまった場合の賠償責任を補償する。
使用不能損害拡張補償特約 線路付近の工事現場で火災が発生し鉄道の運行を止めて鉄道会社に営業損失を与えてしまった場合等、直接的な損害は発生していないが他人の財物の使用不能によって被る賠償責任を補償する。
  • ※商品や特約の概要を明示しています。詳細な補償内容については弊社までお問い合わせください。

請負賠償責任保険の注意点

  • 事務所等、作業に関係のない施設の事故は対象外となり、対象外施設は施設賠償責任保険で補償する
  • 工事、作業の結果に関する事故は補償対象外となり、生産物賠償責任保険で補償する

他人から預かった物(受託物)に対する賠償責任の補償内容

受託物、管理財物に対する賠償責任の補償内容

倉庫業者や飲食業者、修理・加工サービス業者等が、受託物をあらかじめ定めた施設内で保管している間に、その受託物が火災や取扱いの不注意により汚損・破損したり、盗難にあったりしたため、被保険者が預け主に対して法律上の損害賠償責任を負担することで被る損害を補償します。

主な補償事例

  • お客さまからの預り品を破損してしまった
  • クロークで預かったお客さまのコートを紛失してしまった
  • 修理のため預かったお客さまのカメラが盗難にあった
  • 倉庫で火災があり、お客さまからの預かり品を焼失してしまった
基本契約では補償されないが、特約でカバーできる主な事例
漏水補償特約 基本契約では対象外となっている給排水設備等からの水漏れ等による賠償責任を補償する。
修理・加工危険補償特約 基本契約では対象外となっている修理・加工上の損壊による賠償責任を補償する。
※保険会社によっては特約を付帯できない場合がある
  • ※保険会社によっては特約を付帯できない場合があります。
  • ※商品や特約の概要を明示しています。詳細な補償内容については弊社までお問い合わせください。

受託者賠償責任保険の注意点

  • 保険会社によって対象となる業種、補償内容や特約の内容に違いがあるため注意が必要
  • 自動車、航空機、船舶、運送業の受託貨物、作業の対象物、現金・有価証券・切手類、動植物等、補償されない物がある
  • 対象外業種(クリーニング店、自動車サービス業、運送業等)には専門商品がある

自動車管理者賠償責任保険の補償内容

自動車管理者賠償責任保険の補償内容

「他人から預かった物(受託物)に対する賠償責任保険」で対象外業種となっている駐車場、自動車修理販売、自動車修理工場、ガソリンスタンド等の事業者が、他人から預かった自動車を通常の業務遂行の過程で管理している間に損壊したり、盗難にあったりしたことで、被保険者が預け主に対して法律上の損害賠償責任を負担することで被る損害を補償します。

主な補償事例

  • 修理車を試運転中、電柱に衝突させてしまった
    ※電柱の損害は対象外、自動車修理業者専用の自動車保険の対物賠償で補償
  • 保管中の車のボディーにいたずらをされ、塗料がはげてしまった
  • 保管中の管理不行き届きにより、夜間に修理工場内からお客さまの自動車が盗まれた
自動車管理者賠償責任保険の主な特約と事例
使用不能損害拡張補償特約 預かった自動車を損壊・紛失したことによって、その自動車が使用できなくなったことによる損害(代車費用等)を補償する。
下請負人再寄託中補償特約 基本補償では対象外となっている下請負人に再寄託中の自動車の損壊・盗取・詐取・紛失を補償する。
  • ※商品や特約の概要を明示しています。詳細な補償内容については弊社までお問い合わせください。

自動車管理者賠償責任保険の注意点

  • 自動車を管理する事業者の中でも、委託販売業、レッカー業、運転代行業、出張による整備・修理・販売・部品取付・洗浄等を行う事業者は対象外
  • 受託・管理の実態のない施設(コインパーキング、月極駐車場等のスペース貸し、公共施設の無料駐車場、セルフのガソリンスタンド等)は対象外
  • 下請負人再寄託中補償特約で保険金を支払った場合、保険会社はその下請負人に保険金相当額を請求することがあります。(下請負人も自動車管理者賠償責任保険に別途加入をすることが望ましい)。

運送業者貨物賠償責任保険の補償内容

運送業者貨物賠償責任保険の補償内容

「他人から預かった物(受託物)に対する賠償責任保険」で対象外業種となっている運送事業者が、他人から受託した貨物を通常の業務遂行の過程で管理している間に損壊した場合等において、被保険者が荷主に対して法律上の損害賠償責任を負担することで被る損害を補償します。

主な補償事例

  • 輸送中、事故により荷崩れを起こし、受託貨物が損壊した
  • 輸送中、急ブレーキをかけた際に受託貨物が損壊した
  • 納品作業中、納品物を破損した
運送業者貨物賠償責任保険の主な特約と事例
第三者賠償責任補償特約 作業中に、通行人にケガをさせてしまった場合等、第三者に対する賠償責任を補償する。
残存物取片付け費用補償特約 事故の際に、壊れた貨物の処理に伴う取片付け費用や廃棄費用を補償する。
急送・回収費用特約 事故により損害を受けた貨物の代替品の緊急調達や緊急代替輸送に要する費用、誤配送や積み忘れまたは荷卸し忘れにより、貨物を回収、目的地まで急送するための費用を補償する。
  • ※商品や特約の概要を明示しています。詳細な補償内容については弊社までお問い合わせください。

運送業者貨物賠償責任保険の契約方式

保険会社によって、契約方式に違いはありますが、主な契約方式は以下の通りです。それぞれにメリット・デメリットがあり、車種や貨物種類によっては選択できない契約方式もあるため、保険会社に確認が必要です。

売上高包括契約 事業者が取扱う輸送のすべてを補償対象とする契約方式で、輸送用車両を特定する必要はない。下請人の事故も補償する。
全車両包括契約 事業者が所有するすべての輸送用車両での運送を補償対象とし、車両ごとに補償限度額を設定する。車両の変更や増車・減車の場合は保険会社への通知が必要となる。下請人の車両も特定しておけば補償対象にできる。
特定車両契約
(個別契約)
補償が必要な輸送用車両に限定して契約ができる。積込みから荷卸しまでの輸送業務中のみの補償となり、保管中や作業中の補償はなし。付帯できない特約もある。
  • ※商品や特約の概要を明示しています。詳細な補償内容については弊社までお問い合わせください。

運送業者貨物賠償責任保険の注意点

  • 保険会社や保険商品によって、補償内容、特約、契約方式に違いがある
  • 陸送中の自動車は、陸送専用の自動車保険で補償する保険会社がある
  • 生鮮食料品、生動物、貨紙幣、有価証券、貴金属、冷蔵・冷凍物等、貨物の種類によって補償が制限されるものがある
  • 無届事業者(いわゆる白ナンバートラック)等、適法でない運送事業者は対象外
  • 運送の遅延、荷作りの不完全、飲酒運転や無免許運転等は対象外

介護事業者向け賠償責任保険の補償内容

介護事業者向け賠償責任保険の補償内容

介護保険法・社会福祉事業法の各事業活動をとりまく、さまざまなリスクを総合的に補償できる保険です。業務の遂行中もしくは遂行の結果、または施設の所有、使用もしくは管理に起因する対人・対物事故によって、被保険者が法律上の損害賠償責任を負担することで被る損害を補償します。

また、他人の財物損壊を伴わない、その財物の使用不能について、被保険者が負担する法律上の損害賠償責任や、利用者に財産的損害を与えたことについて、被保険者が負担する法律上の損害賠償責任なども補償します。

主な補償事例

  • 通所介護施設の階段の手すりに欠陥があり、利用者が転落してケガをした
  • ヘルパーが車椅子のストッパーをかけ忘れたため、車椅子が転倒し、利用者がケガをした
  • ショートステイサービスで提供した食事が原因で、食中毒が発生した
  • 依頼されていた要介護認定の申請代行を失念したため、給付が遅れた
  • 介護事業に使う目的で、一時的に借りていた機器類を誤って損壊した
  • 就労支援施設で製造販売した食パンが原因で、その食パンを食べた人が食中毒になった
介護事業者向け賠償責任保険の主な特約と事例
サービス利用者捜索費用補償特約 利用者が行方不明となった場合に、捜索費用等を補償する。
特定感染症対応費用補償特約 利用者が施設において、法律に定める特定感染症を発症した場合に負担する消毒、検査、予防等の費用を補償する。
  • ※商品や特約の概要を明示しています。詳細な補償内容については弊社までお問い合わせください。

介護事業者向け賠償責任保険の注意点

  • 個人やボランティアなどが行う無償の介護サービスや、介護保険法の指定を受けていない有料老人ホームは引受対象外
  • 専門の資格がないと行うことができない医療行為、医薬品の調合、はり・きゅうなどの業務は補償対象外
  • 保険会社や保険商品によっては、訪問看護業務は対象外等、引受条件や補償内容、加入方法等に違いがある

サイバー保険の補償内容

サイバー保険の補償内容

サイバー事故により企業に生じた第三者に対する「損害賠償責任」のほか、事故時に必要となる「費用」や自社の「喪失利益」を包括的に補償する保険です。

主な補償事例

  • 何者かにより、公式ホームページにマルウェアが仕掛けられた。同ページを見た消費者のパソコンがマルウェアに感染し、データが消失した
  • サイバー攻撃により、社内サーバがマルウェアに感染した。原因を調査するための費用と復旧費用がかかった
  • Webサーバがサイバー攻撃を受け、顧客情報が流出した
  • サイバー攻撃による停電で、エスカレーターが急停止してしまい、来場者が転んでケガをした
サイバー保険の主な特約と事例
利益損害補償特約 不測かつ突発的な事由に起因するネットワーク構成機器等の機能の停止により生じた利益損失や営業継続費用を補償する。
  • 工場の制御システムがマルウェアに感染した。誤作動が生じたため、生産停止を余儀なくされ、喪失した営業利益を補償する。
  • サイバー攻撃により販売管理システムの機能の一部が停止し、業務が継続できず、休業せざるを得なくなった。喪失した営業利益と共に施設賃料等継続して負担することになった経常費(固定費)を補償する。
IT業務特約 IT事故のうち「IT業務危険」を補償する。
  • 管理・運営しているクラウドサービスを管理上のミスにより停止させてしまった。使用企業より逸失利益が発生したとして、請求された損害賠償責任を補償する。
  • 開発したソフトウェアに欠陥があり、業務を停止せざるを得なかったとして顧客企業より請求された損害賠償責任を補償する。
追加記名被保険者特約 グループ全体を1保険契約で補償する(日本国内の子会社を追加記名被保険者として設定します)。
情報漏えい限定補償特約 「情報漏えいまたはそのおそれ」のみに限定して補償する。
  • ※商品や特約の概要を明示しています。詳細な補償内容については弊社までお問い合わせください。

サイバー保険の注意点

  • 保険会社によって、IT業務に起因する事故を補償するにはIT業務特約などの特約を付帯する必要がある。
  • 保険会社や補償プランによって、日本国外でなされた損害賠償請求が補償対象外となる場合がある。
  • 保険料の算出にあたっては、保険会社所定のヒアリングシートを記載し保険会社へ提出することが必要となる。

産業用ドローン(産業用無人ヘリコプターなど)向けの賠償責任保険の補償内容

産業用ドローン(産業用無人ヘリコプターなど)向けの賠償責任保険の補償内容

近年、ドローンを活用して農薬散布したり、屋根などの高所の撮影をしたりする事業者が増えてきています。ドローンの所有、使用もしくは管理に起因する対人・対物事故によって、被保険者が法律上の損害賠償責任を負担することで被る損害を補償します。

  • ※ドローン本体の補償は、動産総合保険で補償します。

主な補償事例

  • ドローンの操作ミスにより墜落し第三者の家の屋根を損壊した
  • ドローンに固定していたカメラが落下し通行人にあたりケガを負わせた

事業者向け総合補償型賠償責任保険の補償内容

事業者向け総合補償型賠償責任保険の補償内容

事業活動上のさまざまな賠償責任リスクを包括的に補償することができます。業務遂行に関連する賠償責任の補償や施設・設備等に関連する賠償責任の補償、生産物・仕事の結果に関連する賠償責任の補償を1証券で総合的に補償することができる保険です。事業内容や保険会社によって引受方法や補償内容は異なります。

主な補償事例

  • 自転車で配達中、通行人とぶつかりケガを負わせた(業務遂行に関連した賠償責任)
  • 建設現場で工具が落下し、通行人がケガをした(業務遂行に関連した賠償責任)
  • 店舗の床が濡れていたため、お客さまが滑って転び、ケガをした(施設・設備等に関連した賠償責任)
  • 販売した飲食物が原因でお客さまが食中毒になった(生産物・仕事の結果に関連した賠償責任)
  • 修理ミスにより電子レンジが異常過熱し、利用者がヤケドをした(生産物・仕事の結果に関連した賠償責任)

事業者向け総合補償型賠償責任保険の特徴

  • 保険会社や保険商品によっては、賠償責任に関する補償だけでなく、財物に関する補償や休業損害に関する補償などの幅広い補償内容とすることができる
  • 保険期間中に始めた新規事業に関しても、保険会社や事業内容によっては保険会社へ通知することなく補償することができる場合がある
  • 原則、法人が行っている一部の業務のみを補償対象として契約することができない
  • ※商品や特約の概要を明示しています。詳細な補償内容については弊社までお問い合わせください。

事業者向け総合補償型賠償責任保険の注意点

  • 火災保険や業務災害補償保険等、他の保険種類の補償内容と一部重複する可能性がある
  • パターン商品となっていることが多く、補償内容等を自由に選択できないことがある
  • 売上高規模や事業内容によっては加入できないこともある
  • 補償項目によっては、個別に限度額が設定されているものがあるため、必要としている補償が必要としている保険金額となっているか注意が必要

会社法の改正に伴い問い合わせが増えている賠償責任保険

役員賠償責任保険(D&O保険)の補償内容

役員賠償責任保険(D&O保険)の補償

被保険者(法人の役員個人)が、役員としての業務を行ったことに起因して保険期間中に損害賠償請求がなされたことで、被保険者が被る損害を補償する保険です。法人の役員は「経営の専門家」として、「第三者に対する損害賠償責任」と「法人に対する損害賠償責任」のリスクがあり、一般の従業員よりも重い責任を負っています。

万が一、役員個人が訴えられた場合には、役員個人が損害賠償金や弁護士費用などを負担する必要があります。一般企業向けだけでなく、学校法人、医療法人、社会福祉法人など、さまざまな法人向けの商品があります。また、被保険者の範囲には、子会社の役員などまで含めることができます。

想定される事故事例

  • 架空取引を行っていた子会社が多額の損失を発生させた。子会社の不正を見逃して支援継続を決定した親会社の取締役に善管注意義務違反があったとして、株主から損害賠償を請求された
  • インサイダー取引に関する取締役の善管注意義務違反により、会社の社会的信用が失墜したとして、株主から損害賠償を請求され多額の争訟費用がかかった
  • 役員が従業員に指示した粉飾決算により、株主から投資判断を誤らせたと監査役に提訴請求され検討した結果、不正を防ぎきれなかった他の役員にも監視義務違反による責任があるとして、会社が役員を相手取って損害賠償請求を行った
  • 従業員が過労死した原因は全社的な長時間労働であると、取締役は容易に認識できたにもかかわらず、問題を放置したとして、遺族から役員個人に対して損害賠償を請求された
  • ※商品や特約の概要を明示しています。詳細な補償内容については弊社までお問い合わせください。

役員賠償責任保険の注意点

  • 保険会社や保険商品によって、契約の引受条件や補償内容等に違いがある
  • 金融機関、工事業、不動産業等、一部の業種は保険に加入できない場合がある
  • 設立後間もない会社、債務超過となっている会社等、企業の状況等によっては、補償内容が一部制限されることや保険に加入できないことがある
  • 会社が保険料の全額を負担するには、会社が改正会社法の規定(改正法430条の3)に基づいて、取締役会等の一定の手続きを経ることが必要となる。
  • 役員の法令違反や犯罪行為等による賠償責任は保険金が支払われない
  • 保険証券記載の遡及日より前に行われた行為に対する損害賠償責任や、損害賠償請求がなされるおそれがある状況を知っていた場合は補償対象外
  • 原則として、身体の障害、精神的苦痛、財物の損害、人格権侵害に対する損害賠償責任は補償対象外となる

まとめ

法人向け賠償責任保険は、その目的別に保険種類が多岐にわたり、補償内容の選択や特約も多く、さらに保険会社による違いもあります。補償内容の漏れや重複がないように十分に注意し、保険会社に確認する必要もあります。

法人は常にリスクにさらされており、突然巨額の損害賠償を受ける可能性もゼロではありません。多種多様な賠償責任保険の中から、従業員、役員とその家族ひいては法人を守るために、リスクに見合った補償を選ぶことはとても重要です。また、賠償責任保険に加入し、リスクヘッジを行うことにより前向きな攻めの経営が可能となります。

よくあるご質問

接触した第三者が、新型コロナ感染症(COVID-19)に感染したことによる賠償責任を補償できる保険はありますか?
現時点では補償できる賠償責任保険(特約)はありません。
レンタルスペースや貸会議室を借りていました。後日、その時の参加者が新型コロナ感染症(COVID-19)のPCR検査で陽性となりました。レンタルスペース等の施設管理業者から消毒にかかる費用を負担してほしいといわれました。そのような場合に補償できる賠償責任保険(特約)はありますか?
現時点では補償できる賠償責任保険(特約)はありません。
セクシャルハラスメント行為があったとして企業が訴えられた場合の損害賠償を補償できる賠償責任保険(特約)はありますか?
あります。業務災害補償保険に特約を付帯することで補償する保険会社と、雇用管理賠償責任保険等賠償責任保険で補償する保険会社があります。
保険の補償対象となる事故があり保険金支払いがあった場合、翌保険年度の保険契約条件の変更や保険料が上がる等の影響がありますか?
影響することがあります。事故の内容や保険金支払い金額、保険契約内容によっては、例えば自己負担額(免責金額)の設定や保険料率の変更等を求められる場合があります。
電動キックボードの走行中に第三者と衝突したことで発生する損害賠償は、事業者向けの賠償責任保険で補償されますか。
電動キックボードの走行中の事故は、自動車保険で補償します。
  • ※本文記載の特約名称や補償内容等は、保険会社によって異なることがございます。
  • ※本文記載の内容は、2023年3月現在の内容となっています。

更新日:2023年5月9日