30代におすすめの生命保険は?選び方と平均的な保険料を紹介

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30代になって、生活環境や家族構成等が変わることにより、生命保険への加入や見直しを検討するケースも少なくありません。結婚や出産、マイホーム購入等、大きなライフイベントを迎える人もいるでしょう。同じ30代でも、どのような生命保険に加入するかはライフステージによっても異なります。

ここでは、30代が備えておきたいリスクとおすすめの生命保険に加えて、ライフスタイル別の生命保険の選び方等について解説します。

30代に生命保険は必要?

30代になって生命保険に加入する必要があるのだろうかと迷う人もいるかもしれません。結論からいうと、30代の人にとって生命保険の必要性は高いといえます。

30代は働き盛りの年代であることに加え、結婚、出産、マイホーム購入、転職等、大きなライフイベントを迎える人も少なくありません。一方で、病気やケガ、死亡のリスクも徐々に増えてきます。厚生労働省の統計「令和2年(2020)人口動態統計月報年計(概数)の概況」によれば、30代前半の死因(自殺を除く)は、多い順に「がん(悪性新生物)」「不慮の事故」となり、30代後半では「がん(悪性新生物)」に次いで「心疾患」が多い結果となっています。

将来起こりえる病気やケガ、死亡のリスクに備えて、健康なうちに生命保険に加入しておくのがおすすめです。

※出典:厚生労働省「令和2年(2020)人口動態統計月報年計(概数)の概況」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai20/index.html

30代における生命保険の加入状況

「30代のうち、どれくらいの人が生命保険に加入しているのだろうか」「生命保険に加入している場合、毎月いくらくらい保険料を払込んでいるのだろうか」と気になる人もいるかもしれません。30代における生命保険の加入状況について詳しく見ていきましょう。

30代の生命保険の加入率

2023年に公益財団法人生命保険文化センターが発表した「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」によると、30代における生命保険の加入率は、男性が81.5%、女性が82.8%です。この調査における「加入率」とは、民間の生命保険会社や郵便局、JA(農協)、県民共済・生協等で取扱っている生命保険や生命共済(個人年金保険やグループ保険、財形は除く)への加入率を指しています。

この結果から、30代の8割以上の人が、死亡保険や医療保険といった生命保険に加入し、将来の病気やケガ、死亡等のリスクに備えていることがわかります。

30代の生命保険の払込保険料の平均

同調査によれば、30代の生命保険の年間払込保険料における平均は、男性が19万9,000円、女性が14万円です。ここから月額の保険料を計算すると、男性は約1万6,583円、女性は約1万1,667円ということになります。

※出典:生命保険文化センター「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」
https://www.jili.or.jp/files/research/chousa/pdf/r4/2022honshi_all.pdf

30代が備えておきたいリスク等とおすすめの生命保険

30代が生命保険で備えておきたい主なリスクは、「死亡のリスク」「病気やケガのリスク」「収入が減少するリスク」です。加えて、子どもがいる場合は「教育資金の準備」も必要になります。それぞれのリスク等に対して、どのような生命保険で備えればいいかを紹介します。

死亡のリスク

30代で備えたいリスクのひとつが、自分自身の死亡リスクです。人が亡くなると、葬儀やお墓、遺品整理等のための費用がかかります。また、結婚していたり子どもがいたりする場合は、のこされた家族の生活費や教育費も備えておかなければなりません。

予期せぬ死亡リスクに備えるには、「終身保険」や「定期保険」、「収入保障保険」等の死亡保険があります。これらの生命保険に加入すると、被保険者が死亡または保険会社所定の高度障害状態になった場合に、契約時に指定した受取人に保険金が支払われます。

死亡保険については、以下の記事をご覧ください。
死亡保険とは?終身保険と定期保険の違いや保険の選び方等を解説

病気やケガのリスク

病気やケガによる医療費のリスクに備えたいと考える30代の人も多くいます。一般的に年齢が上がるほど病気のリスクは高くなるため、30代の健康なうちに生命保険に加入して備えておくことが大切です。

日本人の死因でもっとも多いのが、がんです。特に女性の場合、30代後半から乳がんの罹患率が増加します。がんは転移や再発する可能性もあり、治療が長期化することも多く、多額の医療費がかかるケースも少なくありません。公的医療保険を利用すれば、実際に負担する医療費は3割で済みますが、保険適用外の治療費や入院中の食事代、差額ベッド代、通院のための交通費等は自己負担となります。

病気やケガによる手術・入院の費用負担を生命保険でカバーするには、「医療保険」や「がん保険」等への加入がおすすめです。

医療保険については、以下の記事をご覧ください。
医療保険とは?公的医療保険制度と民間の医療保険の違いと種類、仕組みを解説

がん保険については、以下の記事をご覧ください。
がん保険とは?医療保険との違いや選び方、加入時の注意点を解説

収入が減少するリスク

病気やケガによる収入減少も、30代が考えておきたいリスクのひとつです。病気やケガで長期間働けなくなると、その分の収入が減少してしまい、経済的に大きな負担が生じます。特に、自営業等で国民年金保険に加入している人は、健康保険のような傷病手当金がないため、収入減少に備える必要性が高いといえるでしょう。

生命保険で長期の収入減少のリスクに備えるには、病気やケガ等により保険会社所定の就業不能状態になった時に給付金が受取れる「就業不能保険」への加入がおすすめです。

就業不能保険については、以下の記事をご覧ください。
就業不能保険とは?働けなくなった時に備える保険のメリット・デメリット

教育資金の準備

子どもがいる場合は、将来の教育資金に対しても備えが必要です。教育費の負担がもっとも大きくなる大学進学までに、必要な金額を準備しておきましょう。

教育資金は預貯金で貯める方法もありますが、万が一の保障が受けられる生命保険を活用するケースも多く見られます。教育資金を計画的に準備するために生命保険に加入するなら、「学資保険」や「終身保険」等がおすすめです。

学資保険は、基本的に保護者が契約者となって加入し、子どもの進学のタイミング等に、祝金や満期保険金を受取ることができます。契約者に万が一のことがあった場合は、以後の保険料の払込みが免除されることが一般的です。

終身保険は、解約すると解約返戻金を受取れるので教育資金として活用でき、万が一の際は死亡保険金を教育資金としてのこすことができます。なお、教育資金を目的として加入する場合、終身保険のなかでも「低解約返戻金型終身保険」を選ぶ人は少なくありません。低解約返戻金型終身保険は、保険料払込期間の解約返戻金を少なくする代わりに、通常の終身保険に比べて保険料が割安に設定されているため、毎月の保険料負担を抑えながら教育資金を準備できるでしょう。

子どもの教育費については、以下の記事をご覧ください。
教育資金の貯め方は?大学までの資金の平均額と貯めるポイントを解説

低解約返戻金型終身保険については、以下の記事をご覧ください。
低解約返戻金型の終身保険とは?メリット・デメリットを解説

30代が生命保険への加入を検討する際のポイント

30代で生命保険に加入したいと思っても、「どうやって検討すればいいのだろう」と悩む人もいるかもしれません。生命保険への加入を検討する際には、以下のポイントを意識することが大切です。

ライフスタイルにあわせて目的を明確にする

生命保険を検討する時にまず行うことは、加入する目的を明確にすることです。同じ30代でも備えたいリスクによって選ぶべき生命保険は変わってきます。収入の状況や家族構成等、それぞれのライフスタイルにあわせて、「何のために生命保険に加入するのか」という目的をはっきりさせておきましょう。

公的保障を確認する

生命保険を検討する際は、事前に公的保障について確認しておくことも大切なポイントです。例えば、公的医療保険には高額療養費制度があり、医療費が所定の自己負担限度額を超えた場合は、超えた分の金額について払戻しを受けることが可能です。

また、会社員等で社会保険に加入している人は、病気やケガのために仕事を休み、事業主から十分な報酬を受けられない場合に、条件を満たせば健康保険から傷病手当金が支給されます。その他、国民年金や厚生年金には、被保険者に万が一のことがあった時に、のこされた家族に支払われる遺族年金があります。公的保障の種類や、それぞれの受取条件を確認した上で、不足する保障を生命保険で補うようにしましょう。

高額療養費制度については、以下の記事をご覧ください。
高額療養費制度とは?医療費の自己負担限度額等をわかりやすく解説

傷病手当金については、以下の記事をご覧ください。
傷病手当金とは?支給条件や対象期間、計算方法について解説

30代のライフスタイル別に見たおすすめの生命保険

30代の生命保険の選び方は、ライフステージによっても異なります。同じ30代でも、独身か既婚か、子どもがいるかどうかによって、必要な保障は異なるため、選ぶべき生命保険も変わってきます。ここからは、30代のライフスタイル別に、おすすめの生命保険を見ていきましょう。

独身の場合

30代で独身の場合は、自分自身が病気やケガをした時の医療費や、働けなくなった時の収入減少リスクに備える必要があります。病気やケガに備えるなら、医療保険やがん保険の他、女性の場合は、30代からリスクが増える乳がん等の女性特有の病気に備える保障内容があると安心です。

長期の収入減少に備える場合は就業不能保険を検討してみましょう。また、自分に万が一のことがあった場合の葬儀費用の準備として、少額の死亡保険を検討するのもひとつの方法です。

既婚で2人暮らしの場合

30代で夫婦2人暮らしの場合は、自分自身だけではなく、万が一の時のパートナーの経済的負担を考慮する必要があります。医療保険やがん保険、就業不能保険に加えて、死亡保険についても加入を検討しましょう。特に、自分が家計を支えている立場の場合、万が一の時にのこされた配偶者の生活を守るため、死亡保険の必要性は高いといえます。

また、将来的に妊娠を希望している女性の場合、妊活中や妊娠してからでは加入できる医療保険が限られる可能性があります。そのため、医療保険に加入するなら早めの検討がおすすめです。

子どもがいる家庭の場合

子どもがいる家庭の場合は、独身で1人暮らしや夫婦2人暮らしに比べて、さらに保障内容を充実させる必要があります。30代ではまだ子どもが小さいことが多いため、万が一の時の保障を手厚くしたり、生命保険を活用して教育資金に備えたりするケースが多くあります。自分自身が主に家計を支えている場合だけではなく、共働きであっても、万が一のことがあると、配偶者だけではなく子どもの生活費や教育費が足りなくなってしまうかもしれません。子どもの年齢や人数、希望する進路、配偶者の就労状況、貯蓄状況等を踏まえて、医療保険、就業不能保険、死亡保険、学資保険から必要な保障を選びましょう。それぞれの家庭環境に合わせて、複数の生命保険の併用もおすすめです。

なお、マイホーム購入にあたって団体信用生命保険(団信)に加入していれば、契約者に万が一のことがあった際には住宅ローン残高がゼロになります。その場合は、一般の死亡保険の保障額を減らすことも検討してみてください。

30代の生命保険選びは目的を明確にして比較・検討しよう

30代の生命保険の加入率は男女ともに8割を超えており、多くの人が生命保険に加入しています。30代が生命保険で備えたいリスクには、死亡、病気やケガ、収入減少等があり、さらに人によっては子どもの教育費についても備えが必要です。同じ30代でも、必要な保障はライフスタイルや家計状況等によって異なるため、加入目的を明確にして、自分に合った保障を選びましょう。

一般的に、生命保険に加入する年齢が若いほど保険料は安くなるので、加入の検討は早いうちがおすすめです。

ただ、生命保険には数多くの種類やプランがあるため、加入を検討しようと思っても、どれを選べばいいか迷ってしまうかもしれません。生命保険選びで悩んだ時には、「ほけんの窓口」への相談がおすすめです。「ほけんの窓口」では、生命保険の選び方に関する質問や見積もり等が、何度でも無料で相談できます。自分に合った保障を選びたい場合は、ぜひお気軽にご相談ください。

30代の生命保険への加入についてよくある質問

30代の生命保険について、よく聞かれる疑問をまとめました。それぞれの質問について解説していますので、参考にしてください。

30代から生命保険に加入したほうがいいのはなぜですか?
将来起こりえるライフイベントや病気やケガ、死亡のリスクに生命保険で備えるには、健康なうちに加入しておいたほうがよいからです。30代は働き盛りであることに加え、結婚、出産、マイホーム購入、転職等、大きなライフイベントを迎えることも多い年代です。また、30代の人の死因には、がんや心疾患といった病気や、不慮の事故が上位に挙がっています。こうしたライフイベントやリスクに備えて、30代で生命保険への加入を検討しておくことは大切です。
30代の生命保険料の月額平均はいくらですか?
30代の生命保険の月額平均は、男性は約1万6,583円、女性は約1万1,667円です。公益財団法人生命保険文化センターが発表した「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」によれば、30代の生命保険の年間払込保険料における平均は、男性が19万9,000円、女性が14万円です。なお、同調査によると、30代の8割以上の人が死亡保険や医療保険といった生命保険に加入しています。
30代で独身ですが生命保険に入ったほうがいいのでしょうか?
30代の独身の人もリスクに備えることは大切で、生命保険への加入はリスク対策のひとつといえます。30代で独身の場合は、病気やケガの医療費に備える医療保険やがん保険、収入減少に備える就業不能保険、自分に万が一のことがあった時の葬儀費用に備える少額の死亡保険等を検討するとよいでしょう。
30代女性の場合はどのような生命保険があると安心ですか?
30代女性の場合は、女性特有の病気に備える保障内容がある生命保険があると安心です。女性の場合、30代後半から乳がんの罹患率が増加するため、生命保険で備える場合は、乳がんをはじめとした女性特有の病気に備える保障内容があるといいでしょう。また、妊活中や妊娠してからは加入できる保険が限られる可能性があるため、妊娠を希望する場合は、生命保険の検討を早めにしておくことがおすすめです。

監修者プロフィール

黒川 一美
日本FP協会 AFP認定者/2級ファイナンシャル・プランニング技能士

大学院修了後、IT企業や通信事業者のセールスエンジニア兼企画職として働く。出産を機に退職し、自分に合ったお金との向き合い方を見つけるため、FP資格を取得。現在は3人の子育てをしながら、多角的な視点からアドバイスができるFPを目指して活動中。FPサテライト株式会社所属FP。

黒川 一美
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