生命保険の見直しのタイミングは?必要性や注意点を解説

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生命保険は一度加入すれば終わりではなく、ライフステージや家族構成の変化に応じた見直しが必要です。加入したまま見直しをしていない生命保険は、保障内容等が現在のニーズに合わなくなっているかもしれません。では、生命保険はどのようなタイミングで見直しをすればいいのでしょうか。

ここでは、生命保険を見直すメリットやタイミング、生命保険を見直す際の注意点等を解説します。

この記事のポイント

  • 現在のニーズに合った保障内容を検討するには生命保険の見直しが必要
  • 生命保険の見直しにおすすめの時期は、ライフステージや家族構成が変化したタイミング
  • 生命保険の見直しには、保障内容の調整や保険契約の転換、払済保険・延長保険の活用等の方法がある
  • 生命保険を見直す際には、保障の空白期間が生じないように注意が必要

どうして生命保険の見直しが必要?

生命保険は、ライフステージや家族構成の変化に応じて必要な保障内容が変わる可能性もあるため、定期的な見直しが必要です。

結婚や出産、マイホーム購入の他、転職、子どもの独立、定年退職等、人生にはさまざまな節目があります。そうした変化に応じて、保険に加入する目的や必要な保障額も見直すことが重要です。

生命保険は加入時の状況に基づいて設計されるため、加入当時はニーズに合っていても、時間の経過とともに保障が不足していたり、過剰になっていたりすることがあります。

さらに、法改正や医療技術の進歩により、加入当時の保障内容では現在の状況に合わなくなっていることも少なくありません。

年々、保険商品の選択肢は広がっており、より自分に合ったプランが登場している可能性もあります。

そのため、生命保険は一度加入して終わりではなく、定期的に見直しを行うことで、その時々の自分や家族にとって過不足のない保障内容を維持しやすくなります。

生命保険を見直すメリット

生命保険を見直す主なメリットは、以下のとおりです。

<生命保険を見直すメリット>・ライフステージに合った保障を確保できる・社会や医療の変化に応じて保障内容を最新化できる・家計の負担を抑えられる可能性がある

ライフステージに合った保障を確保できる

生命保険を見直す大きなメリットは、現在のライフステージに合った保障を確保できることです。年齢や家族構成、収入等によって、生命保険で備えたいリスクは変わります。

加入している生命保険を定期的に見直すことで、今のライフステージやリスクに合った保障を確保できます。

社会や医療の変化に応じて保障内容を最新化できる

社会状況の変化や医療技術の進歩等に対応した最新の保障内容へアップデートできることも、生命保険を見直すメリットです。

例えば、がん治療においては通院治療が主流になるケースが増えており、入院に重点を置いた保障だけでは不十分になるかもしれません。そうした場合には、通院による抗がん剤やホルモン剤治療等にも対応ができる特約を追加することで、実際の治療状況に応じた備えが可能になります。

このように、時代の変化に合わせて見直せば、より実情に即した保障を準備することが可能です。

家計の負担を抑えられる可能性がある

過剰な保障を見直し、保険料を抑えられれば、家計への負担を軽くできる可能性もあります。

今の状況に合わせて見直しを行えば、場合によっては同じ保障内容でも、より保険料が手頃な保険商品に切り替えることができるケースもあります。子どもが独立して必要な死亡保障が少なくなった場合には、保障額を減らすことで毎月払込む保険料を削減できます。

その結果、家計にゆとりが生まれ、将来に向けた貯蓄や別の保障への備えに回すことも可能になるでしょう。

生命保険を見直すべきタイミング

生命保険の見直しに適したタイミングは、ライフステージや家族構成が変化した時です。

具体的には、以下のようなタイミングで、生命保険の見直しをするといいでしょう。

<生命保険を見直すべきタイミング>・結婚や出産時・マイホーム購入・ローン契約時・子どもの独立や定年退職時

結婚や出産時

生命保険を見直すタイミングとして多いのが、結婚や出産時です。家族が増えると、生命保険で備えておきたいリスクも変わるからです。

例えば、結婚すると、自分の身に起こるリスクが配偶者の生活に影響を及ぼす可能性があります。また、子どもが生まれると、夫婦だけの時よりも手厚い保障が必要になるでしょう。

特に、家計を支える人に万が一のことがあると、のこされた家族の生活費や子どもの教育費に大きな支障をきたしかねません。

こうした家族構成の変化があった時には、その都度、生命保険を見直し、必要な保障がしっかり準備できているかを確認することが大切です。

結婚時の保険の見直しについては、以下の記事をご覧ください。
結婚したら保険の見直しは必要?夫婦で備えたい保険を解説

妊娠中の保険の見直しについては、以下の記事をご覧ください。
妊娠中に加入したい保険は?出産までの費用やリスク、公的制度を解説

マイホーム購入・ローン契約時

マイホームを購入して住宅ローンを組む時は、団体信用生命保険(団信)に加入することが一般的です。団信とは、住宅ローンの契約者に万が一の事態が起きて、返済ができなくなるリスクに備えるための生命保険です。

住宅ローンの契約者がローン返済中に死亡または保険会社所定の高度障害状態になった場合、生命保険会社から金融機関に住宅ローンの残債に相当する保険金が支払われ、残債はゼロになります。

住宅ローンを借り入れる前から加入している生命保険がある場合、死亡時のローン残債がカバーされるため、住居費の保障として確保していた既存の死亡保障(家賃相当分)は見直し・減額が可能になります。

また、ローン返済が始まることで、家計全体の支出バランスが変わるため、こうした状況の変化に応じて保障の過不足がないかを確認し、生命保険の見直しを行うことが大切です。

団体信用生命保険(団信)については、以下の記事をご覧ください。
団体信用生命保険(団信)とは?加入条件や保障範囲をわかりやすく解説

子どもの独立や定年退職時

子どもが独立して扶養する家族が減ると、家族を支えるための大きな保障はそれほど必要ではなくなるかもしれません。また、定年退職後は収入が年金中心になるため、万が一の際の経済的なリスクも小さくなるでしょう。

このような場合は、葬儀費用やのこされた家族の生活費を考慮した上で、保障額を見直すと効果的です。

死亡保障を必要最低限に抑え、その代わりに医療や介護の保障を手厚くする等、老後の生活に備えた保障内容に調整することをおすすめします。

定年退職を迎える頃の保険の見直しについては、以下の記事をご覧ください。
60代からの保険は不要?見直しのポイントや保険料について解説

生命保険を見直す方法

生命保険の見直しにあたっては、保障内容を調整するだけでなく、契約そのものを変更したり、保険会社が提供する制度を活用したりすることも可能です。

それぞれの特徴を知り、自分に合った方法で生命保険の見直しを行いましょう。

<生命保険を見直す方法>・保障の追加・削減・保険契約の転換・払済保険・延長保険の活用

保障の追加・削減

生命保険を見直す方法としてもっとも一般的なのが、保障の追加や削減です。

生命保険で備えるべきリスクは、ライフステージや家族構成等によって変わります。保障額を増減したり、特約を追加・解約したりすることで、加入当時の契約内容から、今の自分や家族に合った保障へ柔軟に調整できます。

結婚や出産、マイホーム購入の他、転職、子どもの独立、定年退職等、家族構成や生活スタイル、家計の状態が変化した場合には、その時々で必要な保障内容を見極めることが大切です。

保険契約の転換

保険契約の転換とは、現在加入中の保険を活用して、新たな保険に切り替える方法です。現在の保険の積立部分や積立配当金を、新たに加入する契約の一部(または保険料の一部)にあてられるため、新規加入に比べて保険料の負担を抑えられる可能性があります。

例えるなら、現在乗っている車を下取りに出して、新車を購入するようなものといえるでしょう。

ただし、保険契約の転換は同じ保険会社内でのみ利用でき、保険会社や保険商品によっては利用できない場合もあります。また、転換の内容によっては、必ずしも保険料が軽減されるとは限りません。

そのため、保険契約の転換は慎重な検討が必要です。

払済保険・延長保険の活用

解約返戻金のある生命保険では、保険料の払込みが難しくなった場合に、保障を維持しつつ払込みを止める方法として「払済保険」や「延長保険」があります。

払済保険は、保険料の払込みを中止し、その時点の解約返戻金をのこりの保険期間の保険料にあてる方法です。

払済保険に変更すると、以後の保険料の払込みが不要になりますが、契約自体は継続され、保険期間も変わりません。ただし、受取れる保険金額は少なくなります。

延長保険も、払済保険と同様に、保険料の払込みを中止して、その時点での解約返戻金を保険料に充当する方法です。

払済保険との違いは、延長保険に変更すると保険金額は変わらないものの、保険期間が短くなることです。

なお、払済保険も延長保険も、継続できるのは主契約のみで、特約の保障はなくなります。また、契約内容によっては利用できない場合もあるため、事前に保険会社へ確認することが大切です。

払済保険については、以下の記事をご覧ください。
払済保険とは?メリット・デメリットや仕組みをわかりやすく解説

生命保険を見直す際の注意点

自分に合った保障内容を選ぶには、定期的に生命保険の見直しをすることが重要です。ただし、生命保険の見直しはメリットだけではなく、知っておきたい注意点もあります。

生命保険を見直す際には、以下の点に注意しましょう。

<生命保険を見直す際の注意点>・健康状態の変化・保険料の負担・保障の空白期間

健康状態の変化

生命保険の加入や契約変更にあたっては、健康状態等の告知が必要です。新しく保険に加入する場合だけでなく、保険金の増額や特約の追加、保険契約の転換の際にも、その時点の健康状態を改めて告知しなければなりません。

一般的に、年齢を重ねるほど病気やケガのリスクは高まります。現在の保険の加入時には問題がなくても、年月の経過とともに健康状態が変化している可能性があります。

見直しのタイミングで持病や既往歴等があると、保障内容が制限されたり、想定よりも保険料が上がったりするかもしれません。場合によっては、希望どおりの保険に加入できない可能性もあります。

なお、保険金を減額したり特約を解約したりすると、原則として、元の契約に戻すことはできません。以前と同じ保障内容に戻したい場合は、改めて健康状態を告知し、新たに保険へ加入し直す必要があることを覚えておきましょう。

保険料の負担

保障額を増額したり、新たに特約を付加したりすると、保障は手厚くなりますが、その分、保険料の負担も大きくなります。また、加入時の年齢が上がるほど、月々の保険料も上がることが一般的です。

生命保険を見直す際には、今後の収支やライフプランを踏まえ、無理なく払込みを続けられる保険料かどうかを確認することが大切です。せっかく保障を充実させても、保険料の払込みが継続できなければ、本末転倒になりかねません。

生命保険の見直しによって保険料が家計を圧迫しないよう、保障内容と保険料のバランスを検討する必要があります。

保障の空白期間

生命保険を見直す際には、保障に空白期間が生じないよう注意が必要です。

特に、現在加入している生命保険を解約し、新しい生命保険に加入する場合、解約と加入の時期によっては保障のない期間が発生してしまう可能性があります。

生命保険への加入時には、健康状態等の告知や審査が必要となるため、新しい保険に申込んでも、すぐに保障が開始されるとは限りません。新しい保険の加入が承認される前に、現在の保険を解約してしまうと、万が一の際に保障が受けられなくなるおそれがあります。

また、生命保険のなかには、免責期間が設けられている保険商品もあります。

免責期間とは、保険金や給付金の支払い対象となる事由が発生しても、一定期間は保障の対象外となる期間のことです。

例えば、がん保険には、一般的に90日間もしくは3か月間の免責期間があり、この期間中にがんと診断されても、給付金や保険金を受取ることはできません。

生命保険を切り替える場合は、保障が途切れないように、現在の保険の解約と新しい保険の加入時期を慎重に調整しましょう。

がん保険の免責期間については、以下の記事をご覧ください。
がん保険の免責期間とは?加入前に知っておきたい注意点について解説

ライフステージや家族構成の変化に応じて生命保険の見直しをしよう

過去に加入した生命保険は、保障内容等が現在の状況と合っていない可能性があります。特に、ライフステージや家族構成が変化すると、生命保険で備えるべきリスクも変わります。

加入してから時間が経っている生命保険をそのままにしていると、いざという時に保障が不足してしまうかもしれません。

一方で、保障が過剰になっており、知らず知らずのうちに必要以上の保険料を払込んでいる場合もあります。

結婚や出産、マイホーム購入の他、転職、子どもの独立、定年退職等、ライフステージや家族構成が変わった際には、加入中の生命保険を見直し、その時々で必要な保障内容になっているかを確認しましょう。

自分や家族に合った保障を選びたい場合は、保険の専門家に相談するのがおすすめです。「ほけんの窓口」では、保険に関する質問や見積もり等が、何度でも無料で相談できます。

生命保険の見直しを検討したい場合は、ぜひ「ほけんの窓口」へご相談ください。

生命保険の見直しについてよくある質問

生命保険の見直しについて、よく聞かれる疑問をまとめました。それぞれの質問について解説していますので、参考にしてください。

生命保険の見直しは必要ですか?
生命保険は一度加入して終わりではなく、その後も定期的な見直しが必要です。
生命保険の見直しが必要な理由は、ライフステージや家族構成の変化に応じて、必要な保障内容が変わる可能性があるからです。
また、法改正や医療技術の進歩等の影響で、加入当時の保障内容では現在のニーズと合わなくなっていることもあります。
適切なタイミングで生命保険を見直すことで、その時々での自分や家族にとって過不足のない保障を確保しやすくなります。
生命保険を見直すメリットは何ですか?
生命保険を見直すメリットは、その時のニーズに合った保障内容を確保できることです。また、過剰な保障を見直すことで払込む保険料を抑えたり、最新の保障内容にアップデートしたりすることも可能です。
生命保険を見直すべきタイミングはありますか?
生命保険の見直しに適したタイミングは、ライフステージや家族構成が変化した時です。
具体的には、結婚や出産時、マイホームを購入して住宅ローンを組む時、子どもが独立した時、定年退職した時等が挙げられます。
生命保険を見直す際の注意点はありますか?
生命保険を見直す際には、健康状態の変化や保険料の増減に注意が必要です。
生命保険の加入や契約変更にあたっては、健康状態等の告知が必要になります。過去に生命保険に加入した時から健康状態が変化していると、希望どおりの保険に加入できなかったり、保障が制限されたりする可能性があります。また、生命保険の見直しによって保障を手厚くすると、その分、保険料の負担が大きくなるため、家計とのバランスが大切です。
現在加入している生命保険を解約して新しい生命保険に加入する場合は、保障の空白期間にも注意しなければなりません。新しい保険の加入が承認される前に、現在の保険を解約してしまうと、万が一の際に保障が受けられなくなってしまいます。

監修者プロフィール

原 絢子
日本FP協会 AFP認定者、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

自分で保険の見直しを行ったのをきっかけに、お金の知識を身につけることの大切さを実感し、ファイナンシャル・プランナーとして活動を始める。モットーは「自分のお金を他人任せにしない」。一人でも多くの人がお金を味方につけて、自分の思い描く人生を歩んでほしいと、マネーリテラシーの重要性を精力的に発信している。FPサテライト株式会社所属FP。

原 絢子さん
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