個人年金保険とは?
メリット・デメリット、選び方をわかりやすく解説

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老後の生活について考えた時、公的年金や退職金だけでは不安に感じるなら、あらかじめ準備をしておく必要があります。この老後資金を準備する方法のひとつが「個人年金保険」です。とはいえ、「個人年金保険とは具体的にどのようなものなのだろう」「自分は個人年金保険に加入したほうがよいのだろうか」等、疑問を持つ人もいるかもしれません。

ここでは、個人年金保険の概要と加入するメリット・デメリット、個人年金保険の選び方のポイント等について解説します。

個人年金保険とは、老後資金として備える私的年金

個人年金保険は、国民年金や厚生年金等の公的年金を補う目的で個人が任意で加入する私的年金のひとつです。公的年金や退職金だけでは老後資金が不足しそうな場合、その補完として、民間保険会社の個人年金保険に加入することで準備できます。

個人年金保険は老後資金の積立を主な目的とした保険ですので、60歳や65歳等所定の年齢まで保険料を払い込み、契約時に定めた受取り開始時期になったら、一定期間または終身にわたって年金を受取るというのが一般的です。

個人年金保険の必要性

「人生100年時代」という言葉がよく聞かれるようになり、長生きをリスクと捉えて老後資金に不安を感じる人は少なくありません。

生命保険文化センターの調査によると、老後の生活について「不安感あり」という人の割合は82.2%と、実に8割以上の人が老後に不安を抱えていることがわかります。さらに、その不安感の具体的な内容については、「公的年金だけでは不十分」が79.4%ともっとも高い結果になっています。

また、73.9%の人が自身の老後の日常生活費が公的年金で「まかなえるとは思えない」と回答。年齢別に見ると、特に30~50歳代では80%以上の人が「まかなえると思わない」と回答しており、個人年金保険等、公的年金以外の手段で老後資金を準備することは、現役世代にとって非常に重要な課題だといえるでしょう。

個人年金保険のメリット

公的年金だけでは不足すると考えている人が多い現状では、公的年金以外の手段を用いて老後資金を準備することも検討する必要があるでしょう。その方法のひとつとして、個人年金保険が挙げられます。個人年金保険には、主に下記のようなメリットがあります。

老後資金を計画的に準備できる

個人年金保険に加入することで、老後資金を計画的に準備できます。老後資金のために貯蓄をしようとしても、ついお金を使ってしまい、計画どおりにいかないことが多いものです。しかし、個人年金保険であれば、保険料が定期的に口座から引き落とされるため、貯蓄が苦手な人でも続けることが比較的容易です。

個人年金保険料控除で所得税・住民税の負担を軽減できる

個人年金保険の保険料は生命保険料控除の対象となるため、税負担を軽減できることもメリットのひとつです。年末調整や確定申告の際に申告すると、払い込んだ保険料に応じて所得控除が適用され、所得税や住民税の負担を軽減できます。

生命保険料に関する所得控除には、「一般生命保険料控除」「介護医療保険料控除」「個人年金保険料控除」の3種類あり、それぞれの枠で控除を受けられるようになっています。個人年金保険の保険料は、一般生命保険料控除もしくは個人年金保険料控除が適用され、すでに終身保険や定期保険等で一般生命保険料控除の枠を利用していても、個人年金保険料控除を利用することが可能です。ただし、個人年金保険料控除を適用するには、下記の条件をすべて満たし、契約時に個人年金保険料税制適格特約を付加する必要があります。

<個人年金保険料税制適格特約を付加できる条件>

  • 年金受取人が契約者(保険料を支払う人)またはその配偶者であること
  • 年金受取人が被保険者であること
  • 保険料の払込期間が10年以上であること
  • 確定年金や有期年金の場合、年金受取り開始が60歳以降、かつ受取期間が10年以上であること

健康状態に不安がある人でも加入しやすい

一般的な個人年金保険は、終身保険等の他の貯蓄型の生命保険と比べて、健康状態に不安のある人でも加入しやすいという特徴があります。一般的な生命保険に加入する際には、健康状態や既往歴(過去の傷病歴のこと)等について保険会社に告知しなければなりません。しかし、個人年金保険の多くは、契約時に健康状態の告知や医師による診査を必要としません。これは、個人年金保険は一般的な生命保険に比べ、死亡保障が手厚くないからです。一般的に、年金受取り前に被保険者が死亡した場合には、すでに支払った保険料相当額が払い戻されます。

なお、保険会社や保険商品によっては、健康告知や医師の診査が必要になる場合もあります。

個人年金保険のデメリット

個人年金保険にはメリットがある一方、次のようなデメリットもあります。個人年金保険の加入を検討する際には、メリットとデメリットの両方を確認しておくことが大切です。

途中解約をすると解約返戻金が払込保険料の総額より少なくなる場合が多い

個人年金保険は、途中解約をすると解約返戻金が払込保険料の総額より少なくなる場合があります。前述したように、個人年金保険は年金受取り開始時期があらかじめ決まっており、加入している期間が短いほど返戻率は低くなることが一般的です。途中解約をできるだけ避けるため、契約時にはしっかりと支払い計画を立てておきましょう。

インフレリスクがある

個人年金保険のうち、あらかじめ決まった利率で運用する個人年金保険は、受取れる年金額が契約時点で決まっているため、物価上昇によって相対的にお金の価値が低下するインフレリスクに対応できません。年金の受取り開始時期までに物価が上昇した場合は、受取れる年金の価値が目減りしてしまいます。

個人年金保険の分類

個人年金保険は、運用方法や年金の受取期間等によって、いくつかのタイプに分類されます。ここでは3つの分類を紹介します。

運用方法による分類

個人年金保険は、払い込んだ保険料の運用方法によって「定額個人年金保険(定額型)」と「変額個人年金保険(変額型)」の2つに分けられます。

定額型は、契約時に定めた予定利率で運用するため、将来受取れる年金額があらかじめ決まっています。契約時点で年金額が確定しているため、老後の生活設計が行いやすいといえますが、もしインフレによって物価が大幅に上昇した場合は、年金の価値が目減りしてしまうリスクがあることは、前述の通りです。

一方、変額型は、契約者自身が保険料の運用先を選択し、その運用実績によって将来の年金額が変動する保険です。運用次第では、受取る年金の総額が払い込んだ保険料を上回り、インフレリスクにも対応できる可能性があります。しかし、運用実績が不調だと、年金受取り総額が払い込んだ保険料の総額を下回るリスクもあります。なお、保険会社が運用先を指定する保険商品もあります。

定額個人年金保険のイメージ

変額個人年金保険のイメージ

  • 保険商品により内容の詳細は異なります。

通貨による分類

個人年金保険は、「円建て」または「外貨建て」という通貨によって分類することもできます。

円建て個人年金保険は、払い込んだ保険料が日本円で運用される保険です。為替の影響がないため、将来の受取り額を見通せる上、毎月払い込む保険料も一定で支払計画が立てやすい反面、日本円の金利が低い状態が続くと外貨建てに比べて運用成果が低くなりがちです。

一方、外貨建て個人年金保険では、払い込んだ保険料は米ドルや豪ドル、ユーロといった外貨で運用されます。外貨の金利が日本円より高い場合は円建てよりも保険料が安くなることが多く、運用効果も高くなるでしょう。しかし、保険料の支払いや年金の受取りを日本円で行う場合には為替の影響を受けることになるため、加入にあたっては為替動向を考慮した上で判断しましょう。また、円建てに比べ、為替手数料をはじめとした諸費用が多くかかることにも注意が必要です。

年金の受取期間による分類

個人年金保険は、年金の受取期間によっても違いがあり、主な種類は「確定年金」「有期年金」「終身年金」の3種類です。

確定年金は、被保険者の生死にかかわらず、契約時に定めた期間のあいだ年金が支払われます。年金の受取期間は5年、10年、15年等と決まっており、期間中に被保険者が亡くなった場合は、相続人がのこりの年金を受取れます。

有期年金は、被保険者が生きている場合に限り、契約時に定めた期間に年金を受取れる保険です。年金の受取期間があらかじめ決まっている点は確定年金と同じですが、確定年金とは異なり、被保険者が亡くなると年金の支払いは終了します。そのため、確定年金に比べると保険料は安くなっています。

終身年金は、契約時に定めた受取り開始年齢から被保険者が亡くなるまでのあいだ、年金を受取ることができます。例えば、受取り開始を65歳としていた場合は、被保険者が65歳から亡くなるまで年金を受取れます。

確定年金のイメージ

有期年金のイメージ

終身年金のイメージ

  • 保険商品により内容の詳細は異なります。

なお、有期年金や終身年金は、被保険者が亡くなった時点で年金の支払は終了します。しかし年金支払の保証期間をつけることにより被保険者が亡くなっても、保証期間内であれば年金が支払われるタイプのものも存在します。確定年金の場合は、被保険者の生死にかかわらずあらかじめ年金の受取期間が決まっているため、保証期間という考え方はありません。

個人年金保険の選び方

個人年金保険の加入を検討する際には、前述したようなタイプの違いを把握し、自身に合ったものを選ぶとよいでしょう。個人年金保険の選び方には、次のようなポイントがあります。

老後に必要な金額をシミュレーション

個人年金保険を選ぶ時は、まずは将来受取る予定の公的年金額を確認し、「公的年金に加えていくらぐらいの資金が必要なのか」をシミュレーションしておくことがポイントです。

前述した生命保険文化センターの調査では、老後に夫婦2人で暮らす上で必要とされる最低日常生活費は、平均で月額23.2万円という結果になっています。日本の平均寿命から、65歳以降の生活を約20年から25年と仮定すると、5,500万円から7,000万円弱が必要という計算になります。ゆとりのある老後生活を送りたい人は、さらに上乗せが必要です。

老後にどれくらいの資金が必要になるかは、個人の状況によっても異なります。自身が必要とする老後資金の金額から、公的年金や退職金等を差し引けば、どれくらいの上乗せ資金を準備すべきかが見えてきます。その上で、「個人年金保険からいくらぐらいの年金を受取りたいか」「支払い可能な保険料はどれくらいか」等を検討してみることをおすすめします。

年金の受取期間、受取り方のプランを検討

個人年金保険を選ぶ際は、「何のために個人年金保険に加入するか」という目的をはっきりさせた上で、受取期間や受取り方のプランを検討することが大切です。例えば、「公的年金では不足する老後資金を補いたい」「退職してから公的年金を受取るまでの生活費にしたい」「老後の趣味にお金をかけたい」等、老後資金のニーズは人それぞれです。それによって、何歳から年金を受取るか、確定年金と有期年金、終身年金のどれが適しているか等も変わってくるでしょう。自身の目的や考え方に合わせて、最適なプランを検討してみてください。

個人年金保険の加入を検討してみよう

個人年金保険は、老後資金を準備する方法のひとつです。老後資金に不安を感じている人や、公的年金に上乗せして老後資金を準備したいという人は、個人年金保険の加入を検討してみてはいかがでしょうか。

ただ、個人年金保険にはさまざまな種類があり、どれが合っているのか迷ってしまうことがあるかもしれません。そのような場合は保険の専門家に相談するのがおすすめです。個人年金保険の見積もりや、加入についての悩み事等は、「ほけんの窓口」にご相談ください。

監修者プロフィール

原 絢子
日本FP協会 AFP認定者、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

自分で保険の見直しを行ったのをきっかけに、お金の知識を身につけることの大切さを実感し、ファイナンシャルプランナーとして活動を始める。モットーは「自分のお金を他人任せにしない」。一人でも多くの人がお金を味方につけて、自分の思い描く人生を歩んでほしいと、マネーリテラシーの重要性を精力的に発信している。FPサテライト株式会社所属FP。

原 絢子さん
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