医療保険に入らないと後悔する?必要性や加入率を解説

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病気やケガで入院・手術が必要になった時の経済的な負担に備えて、民間の医療保険に加入している人は少なくありません。しかし、なかには「公的医療保険があるから民間の医療保険は必要ない」という意見もあります。確かに、公的医療保険があれば、医療費の一部を自己負担するだけで治療を受けることができますが、本当に医療保険に入らなくても問題ないのでしょうか。

よく検討しないまま「医療保険には入らない」と決めてしまうと、いざという時に後悔することにもなりかねません。

ここでは、「医療保険に入ればよかった」と後悔しないために、医療保険の必要性や加入率、加入しないリスク等を、実際のエピソードも交えながら解説します。

この記事のポイント

  • 医療保険に入っていないと、病気やケガの際に家計への影響が大きくなる
  • 医療保険の加入率は6割以上で、30代以降、増加傾向にある
  • 医療保険は若く健康なうちに検討したほうが、多くの保険商品から選ぶことができて保険料を抑えられる
  • 貯蓄に不安がある人や治療の選択肢を増やしたい人、自営業者・専業主婦(主夫)は、特に医療保険の必要性が高い

医療保険に入っていないとどうなる?

民間の医療保険(以下、医療保険)に入っていないと、病気やケガで入院・治療等が長引いた時、家計への影響が大きくなります。

日本では国民皆保険制度を採用しているため、すべての人が、原則として何らかの公的医療保険に加入しています。公的医療保険を適用すれば、医療機関の窓口で実際に支払う金額は、全医療費の1~3割です。また、公的医療保険には高額療養費制度があり、高額な医療費が発生した場合は、所定の自己負担限度額を超えた分の金額について払戻しが受けられます。そのため、「公的医療保険があれば、民間の医療保険に入る必要はない」といわれることがあります。

しかし、大きな病気やケガをすると、公的医療保険ではまかなえない費用が発生することも少なくありません。例えば、入院時の差額ベッド代や食事代、先進医療の技術料、家族がお見舞いに来る際の交通費等は、公的医療保険の適用外です。このような公的医療保険適用外の費用は高額療養費制度も利用できないので、全額が自己負担となります。

さらに、入院が長期間にわたった場合、仕事を休まざるをえなくなり、収入が減少してしまうことも考えられます。病気やケガで入院・手術をした場合、公的医療保険だけですべての費用をカバーするのは難しいのが実情です。

医療保険は、公的医療保険だけではまかないきれない入院・治療時の経済的負担をカバーするために、個人が任意で加入する保険です。医療保険に加入すると、病気やケガで入院したり、所定の手術や治療を受けたりした際に、入院給付金や手術給付金等を受取ることができます。さらに、主契約に加えて、特定の病気や通院に対する特約を付けて、保障を手厚くすることも可能です。

医療保険については、以下の記事をご覧ください。
医療保険はいらない?不要といわれる理由や必要性が高い場合を解説

医療保険の加入率

2023年に公益財団法人生命保険文化センターが発表した「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」によると、医療保険の加入率は以下のとおりです。

■医療保険(疾病入院給付金の支払われる生命保険)の加入率

性別加入率
男性60.2%
女性70.1%
全体65.7%

なお、年代別に見ると、疾病リスクが低い若い世代ほど医療保険への加入率は低く、30代から加入率が増加傾向にあります。医療保険の加入率がもっとも高いのは50代で、78.3%です。

このことから、多くの人が、年齢や家族構成、ライフステージに応じて医療保険への加入を検討していると考えられます。

※出典:公益財団法人 生命保険文化センター「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」P.272
https://www.jili.or.jp/files/research/chousa/pdf/r4/2022honshi_all.pdf

医療保険に入ればよかったと後悔するケース

健康なうちは、医療保険に入らなくても問題はないかもしれません。しかし、医療保険への加入を先送りにした結果、「やっぱり医療保険に入ればよかった」と後悔するケースも少なくありません。その具体的なケースを見ていきましょう。

家計に負担をかけた

医療保険に入らずに後悔する例としてよくあるのが、「病気やケガで想定外の出費が発生し、家計に大きな負担がかかってしまった」というケースです。公的医療保険を適用しても、治療が長引けば費用がかさみ、家計を圧迫する可能性があります。

さらに、公的医療保険適用外の医療費は、全額が自己負担です。なかでも高額になりやすいのが、先進医療の技術料です。例えば、がん治療の際に行われる陽子線治療や重粒子線治療では、1件あたりの技術料が数百万円に上ることも少なくありません。

いつ病気やケガになるか、どのような治療が必要になるかは、事前に予測することが難しいものです。急に高額な費用負担が発生した場合、医療保険に入っていないと、貯蓄を使い切ったり、日々の生活費を圧迫したりすることになってしまうかもしれません。

先進医療については、以下の記事をご覧ください。
先進医療とは?種類や費用、先進医療特約について解説

仕事を休まざるをえなかった

「病気やケガで入院しても、貯蓄で備えているから大丈夫」と考えている人もいるかもしれません。しかし、入院や治療が長期化し、仕事を休まざるをえない状況が続くと、金銭的な負担や不安が大きくなります。仕事に復帰したとしても、通院のために定期的に休んだり、残業ができなくなったりと、今までと同じ働き方をするのが難しくなるかもしれません。

なお、会社員等が加入する健康保険には傷病手当金制度があり、病気やケガで仕事を休んだ場合にある程度の収入は保障されます。ただし、支給額は一般的に月給の3分の2程度となり、支給期間も限られています。入院や治療が長期化すると、収入減少により家計が苦しくなり「医療保険に入ればよかった」と後悔することになりがちです。

特に自営業者等の場合、病気やケガで仕事を休むと収入が途絶えてしまう上、国民健康保険には傷病手当金制度がないため、医療保険の必要性はより高いといえるでしょう。収入減少のリスクに備えるには、一時金のある医療保険の他、就業不能保険への加入もおすすめです。

就業不能保険については、以下の記事をご覧ください。
就業不能保険とは?働けなくなった時の保険の必要性について解説

医療保険に入りにくくなった

医療保険に入りたいと思った時に希望する保険を選ぶことができず、「もっと早く医療保険に入ればよかった」と後悔するケースもあります。

医療保険に入る際には、原則、契約時点での健康状態等を保険会社に告知しなければなりません。年齢を重ねると健康状態によっては希望する保険に入るのが難しくなることもあります。例えば、持病や既往歴があると、新しく医療保険に入れなかったり、特定の条件や制限が付いたりするケースは少なくありません。

一般的な医療保険に入れない場合は、告知項目が少ない「引受基準緩和型保険」や、健康状態の告知が不要な「無選択型保険」という選択肢もありますが、いずれも一般的な医療保険に比べて保険料が割高な上、保障が一部制限されます。

毎月の保険料を抑えつつ希望どおりの保障を選びたい場合は、若くて健康なうちに医療保険に入っておくほうがいいでしょう。

持病があっても入れる保険については、以下の記事をご覧ください。
持病があっても入れる保険はある?選び方とメリット・デメリットを解説

医療保険に入るのがおすすめな人

医療保険に入るのがおすすめな人はどのような人でしょうか。医療保険への加入を検討したほうがいい人は以下のとおりです。

貯蓄に不安がある人

貯蓄が少ない人や貯蓄が苦手な人は、医療保険に入っておいたほうが安心です。病気やケガの治療で公的医療保険が適用されても、1~3割の自己負担額が必要です。また、病気やケガのために仕事を休み、収入が減少してしまうこともあります。

入院や治療が長期間になると相応のお金が必要になるため、貯蓄に不安があると、本人や家族の生活に支障をきたす可能性があります。このような病気やケガによる金銭的なリスクに貯蓄だけで対応するのが難しい場合は、医療保険への加入がおすすめです。

将来的に病気の不安がある人

現在の健康状態や家族の既往歴等から、自分の将来の健康状態に不安を感じる人もいるかもしれません。そのような人は、医療保険で備えておくことをおすすめします。

病気への不安を抱えながら生活するのはストレスになりますが、もしもの時の備えがあることで、心に余裕が生まれやすくなるでしょう。特に、家族がいる人にとっては、自分が病気になった時に家族に経済的な負担をかけずに済むことも大きなメリットです。

治療の選択肢を増やしたい人

治療の選択肢を増やしたい人も、医療保険に入ることをおすすめします。医療技術は日々進歩しており、新しい治療法も続々と登場しています。しかし、すべての治療法が公的医療保険の対象となるわけではありません。先進医療等の公的医療保険適用外の治療は高額になるケースもあります。また、入院時の差額ベッド代は全額自己負担ですし、食事代も一部は自己負担しなければなりません。

こうした公的医療保険が適用されない費用は、医療保険に入ることでカバーできるため、「先進医療を検討したい」「快適な入院生活を送りたい」等の希望がある人は加入を検討するといいでしょう。

自営業者・専業主婦(主夫)

自営業者や専業主婦(主夫)も、医療保険の必要性が高いといえます。会社員や公務員等、勤務先の健康保険に加入している人であれば、病気やケガで仕事を休んだ場合、所定の要件を満たせば健康保険から傷病手当金が支給されます。また、治療で仕事を休む時に、有給休暇を取得することも可能です。

しかし、自営業者や専業主婦(主夫)には、このような制度がありません。もし長期入院になってしまった場合、自営業者なら収入減少に直結しますし、専業主婦(主夫)であれば家事や育児、介護等を外部サービスに委託する等の対応が必要になります。そのため、医療保険で備えておくと安心でしょう。

専業主婦(主夫)の保険については、以下の記事をご覧ください。
専業主婦(主夫)に生命保険はいらない?加入の必要性や選び方を解説

「医療保険に入ればよかった」と後悔しないためにも医療保険の検討をしよう

医療保険は、公的医療保険だけではまかないきれない入院・治療時の経済的負担をカバーするために入る保険です。「まだ若く健康だから」「公的医療保険があるから」等と、医療保険への加入を先送りしている人もいるかもしれません。しかし、医療保険は、若く健康なうちに入ったほうが月々の保険料を抑えられ、選べる保険商品数も多くなります。いざという時に後悔しないために、できるだけ早めに医療保険への加入を検討することをおすすめします。

ただ、一口に医療保険といっても、保障プランや付加できる特約等は、保険商品によってさまざまです。自分に合った医療保険を選ぶには、複数のプランを比較検討する必要があります。

「ほけんの窓口」では、医療保険のプランに関する相談や見積もりが、何度でも無料で利用できます。医療保険選びに迷った際は、ぜひ「ほけんの窓口」へご相談ください。

  • 本コラムは、2025年2月現在の税制・税率に基づき作成しております。税制・税率は将来変更されることがあります。

「ほけんの窓口」で医療保険について相談したお客さまの声

実際に「ほけんの窓口」で医療保険について相談した人は、どのように感じているのでしょうか。お客さまの声を一部ご紹介します。

安心できました!

医療保険加入を少し前から検討していました。買い物で通りかかり気になっていた「ほけんの窓口」に相談してみようと来店しました。とても緊張していたのですが、すごく丁寧に相談にのっていただきました。何度か話していると安心できたため、加入を決意しました。アフターフォローもきちんとしていると思うので、思い切って加入してよかったと思っています。今後もいろいろと相談にのっていただきたいと思いました。

お客さまの声

これからもお世話になります

結婚を機に、医療保険への加入を検討したく伺いました。保険については、まったく無知な私たちでしたが、医療、病気の説明や、「医療保険とは?」という初歩的な説明から丁寧にしていただき、どうして保険に加入するのか、保険に加入することの必要性を考えるいい機会になりました。納得した保険に加入することができ、とても満足しています。これからも、見直し等でお世話になろうと思っています。

お客さまの声

年齢や必要性に応じて、自分たちに合った保険をすすめてくれるので、とても助かりました

「ほけんの窓口」は年齢や必要性に応じて、自分たちに合った保険をすすめてくれるので、とても助かりました。医療費や入院費のことだけではなく、万が一の時にどのような保障をどれだけ用意しておけば安心なのか等、とても親切に教えてくれました。保険ってわかっているようでわかっていないことがとても多いので、今の保険や将来のことを不安に思ったら、「ほけんの窓口」で相談してみてください。絶対に役立つはずです。子ども連れでも安心して話を聞けますよ。

お客さまの声

医療保険についてよくある質問

医療保険について、よく聞かれる疑問をまとめました。それぞれの質問について解説していますので、参考にしてください。

公的医療保険があるから民間の医療保険はいらないのでは?
公的医療保険があるからといっても、民間の医療保険は不要とは言い切れません。病気やケガの際には、入院時の差額ベッド代や食事代、先進医療の技術料、家族がお見舞いに来る際の交通費等、公的医療保険ではまかなえない費用が発生します。また、病気やケガのために仕事を休まざるをえず、収入が減少してしまう可能性もあります。このような費用負担には公的医療保険では対応できないため、民間の医療保険等で備えておくと安心です。
医療保険の加入率はどのくらいですか?
公益財団法人生命保険文化センターが発表している「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」によると、医療保険の加入率は男性が60.2%、女性が70.1%、全体では65.7%です。年代別に見ると、30代から加入率が増加し、50代でもっとも高くなります。
医療保険に入ればよかったと後悔するケースとは?
医療保険に入ればよかったと後悔する例として多いのが、「病気やケガで想定外の出費が発生し、家計に大きな負担がかかってしまった」「病気やケガで仕事を休んだために、収入が減少してしまった」というケースです。また、医療保険への加入を先送りにした結果、健康状態等の影響で希望する保障を選べず、「もっと早く入ればよかった」と後悔するケースもあります。
医療保険への加入がおすすめな人は?
医療保険への加入がおすすめなのは、貯蓄に不安がある人や将来的に病気の不安がある人、治療の選択肢を増やしたい人です。また、傷病手当金や有給休暇等の制度がない自営業者・専業主婦(主夫)も、医療保険の必要性が高いといえます。

監修者プロフィール

原 絢子
日本FP協会 AFP認定者、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

自分で保険の見直しを行ったのをきっかけに、お金の知識を身につけることの大切さを実感し、ファイナンシャル・プランナーとして活動を始める。モットーは「自分のお金を他人任せにしない」。一人でも多くの人がお金を味方につけて、自分の思い描く人生を歩んでほしいと、マネーリテラシーの重要性を精力的に発信している。FPサテライト株式会社所属FP。

原 絢子さん
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