新NISAの利用に年齢制限はある?
ルールや年代別の活用ポイントを解説
ルールや年代別の活用ポイントを解説
新NISAには年齢制限があり、18歳以上の方であれば口座を開設できます。長期投資に取り組みやすい制度となっているため、できるだけ早く始めるのがおすすめです。
この記事では、新NISA制度の概要や年代別の活用ポイントを解説します。新NISAの口座開設を検討している方に役立つ内容となっているので、ぜひ参考にしてみてください。
新NISAの利用に年齢制限はある?
新NISAを利用できるのは「日本国内に住んでいる18歳以上の方」です。ただし、利用する年の1月1日時点で18歳以上であることが条件とされており、年内に18歳になる方は翌年まで口座開設を待つ必要があります。
年齢に下限はありますが、上限はありません。定年退職をした方でも口座開設が可能で、老後に向けた資産形成や後世のために資産を残す目的でも活用できます。
ジュニアNISAは廃止されたが18歳まで非課税保有が可能
旧NISAの1つであるジュニアNISAは、2023年末で制度そのものが廃止されました。2023年までにジュニアNISAを利用していた方は、非課税期間(5年)が終了すると自動的に継続管理勘定に移管されます。
ジュニアNISAでは、口座開設者本人が18歳になるまで非課税で運用できます。2024年以降は、ジュニアNISA口座で保有している資産について、好きなタイミングで非課税での払い出しが可能です。
新NISAの何がすごいの?
新NISAは、投資をする人にとってメリットが大きい制度となっています。以下で、具体的な魅力やメリットを解説します。
なお、新NISAと旧NISAの違いについて知りたい方は「新NISAとは?旧NISAとの違いや活用の注意点について解説」も併せてご覧ください。
年間投資枠の拡大・非課税保有期間の無期限化
新NISAは、旧NISAよりも年間投資上限額が拡大されています。また、非課税で保有できる期間が無期限化されており、長期的な視野で資産運用を行えます。
一般NISA | つみたてNISA | 新NISA (つみたて投資枠) | 新NISA (成長投資枠) | |
---|---|---|---|---|
制度の併用 | 不可 | 不可 | 可能 | |
非課税保有期間 | 5年間 | 20年間 | 無期限 | |
年間投資枠 | 120万円 | 40万円 | 120万円 (成長投資枠と合わせて最大360万円) | 240万円 (つみたて投資枠と合わせて最大360万円) |
非課税保有限度額 (総枠) | 600万円 | 800万円 | 1,800万円 (うち成長投資枠は最大1,200万円まで) |
※出典:「NISAを知る」(金融庁)
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/know/
「2023年までのNISA」(金融庁)を基に作成
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/till2023/
旧NISAでは、一般NISAかつみたてNISAのいずれかの選択制でした。そのため、年間で非課税投資を行える上限は120万円でした。
しかし、新NISAでは「つみたて投資枠」と「成長投資枠」を併用でき、年間最大360万円まで非課税で投資できます。非課税投資を行える器そのものが大きくなったため、投資をする方にとってうれしい拡充となりました。
また、非課税保有期間が無期限となったため、長期的に運用できます。非課税期間の終わりを気にする必要がないため、使い勝手がよくなりました。
非課税投資枠の再利用が可能に
新NISAでは、非課税投資枠を再利用できます。旧NISAでは保有商品を売却しても非課税投資枠の再利用はできませんでしたが、新NISAでは再利用が可能です。
1,800万円の非課税投資枠を使い切っても、NISA口座内の資産を売却すれば、翌年に買い付け価額分が復活します。これにより、ライフイベントに応じて資産を引き出し、その後に投資を再開すれば非課税枠をフル活用できます。
旧NISAよりも柔軟な資産運用を行える制度となり、年齢に関係なく多くの方にとって使いやすい制度となりました。
新NISAは何歳から始めればいい?
新NISAに興味を持っている方は、できるだけ早い段階で始めることをおすすめします。一般的に、資産運用の期間が長いほど運用成績のブレが抑えられ、リターンが安定するためです。
さらに、運用期間が長いほど複利効果を得やすいメリットがあります。複利効果とは、利子や配当等の運用益を元本に加えて再投資することで、資産が加速度的に増加する効果です。
例えば、年利5%で100万円を30年間投資した場合、単利(運用益を再投資しない)だと元金と利息を合わせて250万円(+150万円)となりますが複利だと432万円(+332万円)まで増えます(費用・手数料は考慮していません)。
投資期間が長いほど、複利効果によるメリットは大きくなります。同条件で運用期間が10年だとすると、単利の場合は元利合計150万円(+50万円)、複利の場合は163万円(+63万円)です(費用・手数料は考慮していません)。30年間の場合よりも原本に対する増加割合の差が小さいことがわかります。
つまり、期間が長くなるほど複利効果(単利と複利の差)は大きくなるため、年齢に関係なく早めに投資を始めることが、資産形成を有利に進める上では合理的な判断といえるでしょう。
年代別の新NISAの活用ポイント
年代によって、資産運用で負えるリスクは異なります。以下で、年代別にNISAを活用する際のポイントを解説します。
18歳~30代までは早めに始める効果を活かしやすい
18歳~30代の方は、一般的にこれから資産形成を行う世代です。長期の運用期間を確保しやすいことから、非課税投資期間が無制限となった恩恵を受けやすいでしょう。
そのため、18歳~30代の方はできるだけ早く新NISAでの資産運用を始めることをおすすめします。
しかし、若い方はあまり余裕資金がないケースが考えられるため、無理な金額を投資に回すのは避けましょう。生活費を圧迫するような投資は行わず、無理のない金額で始めるとよいでしょう。
いくら投資に回すべきか迷ったら、手取り収入の10%を1つの目安として考えておくとよいでしょう。
40~50代は投資枠の使い分けが大切
40~50代の方は、住宅資金や子どもの教育資金等の費用が必要になるケースが想定されます。そのため、支出が発生するタイミングを図りつつ、適切なリスクの範囲内で新NISAを活用すべきです。
また、つみたて投資枠と成長投資枠の使い分けにも意識を向けましょう。つみたて投資枠で購入できる商品は購入時手数料がかからない、信託報酬が低い等、金融庁の基準を満たした投資信託に限定されており、長期投資に向いています。そのため、資金が必要となる時期までに期間的な余裕のある、老後資金準備等につみたて投資枠を活用するとよいでしょう。
一方で、成長投資枠では上場株式やREITをはじめ、つみたて投資枠よりも幅広く商品を選択できます。そのため、成長投資枠を活用してさまざまな商品に分散投資することができ、リスクを抑えながらリターンを狙う方法が考えられます。
60代以降は資産価値を目減りさせない手段として有効
60代の方は、定年退職後の生活に備えて資産を「増やす」よりも「守る」ことに意識を向ける年代です。
勤務先によっては、退職金でまとまったお金を手にできる場合もあるでしょう。老後生活では、このお金を取り崩しながらもできるだけ目減りさせないような使い方が求められます。
また、昨今、物価上昇が続いていることからもわかるように、インフレによる資産の目減りを防ぐことも必要です。物価上昇による目減りをできるだけ防ぎ、自分の寿命よりも先に資産寿命を迎えないようにするためにも、資産運用をすることが大切です。
受け取れる年金額や生活費によっておすすめの運用方法は異なりますが、新NISAは生涯にわたり非課税で運用を続けられ、また取り崩し時にも非課税で受け取れるため有効に活用しましょう。
老後資金を用意したい場合は新NISAとiDeCoどちらがよい?
老後資金を用意したい時、新NISAの他にiDeCoも有力な選択肢となります。加入条件を満たしていれば新NISAとiDeCoを併用することも可能ですが、新NISAとiDeCoについて知るために、ここでは新NISAがおすすめな場合とiDeCoがおすすめな場合をそれぞれ解説します。
新NISAがおすすめな場合
住宅の購入や出産等のライフイベントが見込まれる場合は、新NISAが向いています。iDeCoは原則として60歳まで引き出しができませんが、新NISAは好きなタイミングで引き出せるためです。
iDeCoは毎月(あるいは毎年)掛金を拠出しますが、新NISAでは一度にまとまった資金を投資することもできます。そのため、まとまった資金を投資に回して効率よく運用したいと考えている方も新NISAが向いています。
iDeCoがおすすめな場合
毎年の所得税・住民税負担を抑えたいと考えている方は、iDeCoがおすすめです。iDeCoで拠出した掛金は全額所得控除の対象となり、毎年の所得税と住民税を軽減する効果があります。
また、「とにかく老後資金を集中的に用意したい」と考えている方もiDeCoが向いています。iDeCoは原則として60歳まで引き出せない資金拘束を受けることから、引き出しを制限して老後資金の準備に着手したい方は新NISAよりもiDeCoが好相性でしょう。
ライフステージに合わせた運用計画を!
新NISAは18歳以上の方であれば利用できますが、活用方法は年齢によって異なります。旧制度よりも柔軟に活用できる制度になっているため、ライフステージに合わせた運用計画を策定しましょう。
自分だけで資産運用の計画を考えるのが心配な場合は、プロに相談することをおすすめします。「ほけんの窓口」では、新NISAだけでなくiDeCoを含めてご相談者様に合った提案をいたします。
相談料は無料なので、お金に関する不安を抱えている方はお気軽にお問い合わせください。
ほけんの窓口グループ株式会社 金融商品仲介業者 関東財務局長(金仲)第1020号
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