住宅ローン借り換えのメリットや注意点、借り換え先の選び方を解説!
住宅ローンを借り換えることで、利息負担を減らし総返済額を抑えられるメリットが期待できます。また、金利タイプの変更や団体信用生命保険の見直しを行うことも可能です。自分に合った住宅ローンの借り換え先を見つけるためには、いくつか確認すべきポイントがあります。借り換えに伴って手数料が発生する等のデメリットも踏まえて、慎重に検討することが大切です。
こちらの記事では、住宅ローンを借り換えるメリットとデメリット、注意点等を解説します。住宅ローンの借り換えを検討している方に役立つ内容となっているので、参考にしてみてください。
住宅ローンの借り換えとは
住宅ローンの借り換えとは、現在契約している住宅ローンの金融機関とは別の金融機関で住宅ローンを借り入れし直すことです。長期間にわたる返済の途中では、金利変動の影響で借り換えを行った方が有利になるケースがあります。
住宅ローンの借り換えを通じて総返済額を抑えられる場合は、借り換えを検討するとよいでしょう。借り換えを行うメリットがあるか判断するためには、現在の金利と借り換え後の金利、発生する手数料等をトータルで考えることが大切です。
住宅ローン借り換えをする理由
住宅金融支援機構が行ったアンケート調査によると、2022年4月から2023年3月にかける住宅ローンの借り換えをした人の多くは、以下のように借り換え後の金利タイプとして「変動型」「固定期間選択型」を選択しています。
- 変動型:51.5%
- 固定期間選択型:42.1%
- 全期間固定型:6.3%
※出典:住宅金融支援機構「2022 年度 住宅ローン借換えの実態調査結果」P1
https://www.jhf.go.jp/files/400367746.pdf
借り換えを行った理由として多かったのは「金利が低くなるから」「返済額が少なくなるから」でした。また、固定期間選択型または全期間固定型に借り換えた人の中には「今後の金利上昇や毎月の返済額増加が不安になったから」「(借り換え前の)適用金利が上昇し、返済額が増加するから」と回答した人が多くいます。
この調査結果から住宅ローンの借り換えを行う理由として「総返済額を抑えたい」という経済的なメリットをあげる方多いことがわかります。
住宅ローンを借り換えるメリット
毎月の返済額を抑えられる可能性がある
住宅ローンを借り換える条件によっては、毎月の返済額を減らせるメリットがあります。現在契約している金利よりも低い金利で借り換えた場合は、毎月の返済額を抑えられる可能性があります。
ローン返済中に、子どもの成長に伴って支出が増えた場合や何らかの理由で収入が減少した場合は、返済が厳しくなる可能性があります。毎月の返済額を抑えることで家計への負担が軽減し、日々の生活に安心感をもたらしてくれるでしょう。
金利タイプが変更できる
住宅ローンの借り換えは新しい住宅ローンの契約を意味するため、金利タイプの変更ができます。変動金利で借り入れており、「金利上昇に備えて固定金利に借り換えておきたい」という将来の不安を取り除くことができます。
逆に、固定金利から変動金利に借り換えることも可能です。自身の希望や考えに応じて、金利タイプを変更できる点は、借り換えのメリットといえるでしょう。
なお、金利タイプを変更する際には、以下のようなメリット・デメリットがあります。
固定金利から変動金利へ変更する | 変動金利から固定金利へ変更する | |
---|---|---|
メリット | 金利を引き下げられる可能性がある | 金利上昇リスクを回避できる |
デメリット | 金利変動リスクを負う | 適用金利が上がり当面の返済負担は重くなりやすい |
団体信用生命保険の見直しができる
住宅ローンの借り換えを通じて、団体信用生命保険の見直しができます。団体信用生命保険とは、ローン返済期間中に契約者に万が一のことがあっても遺族が住居を失わなくてもすむよう保険金で残債を返済する保険です。
団体信用生命保険の保障内容は、時代の変化に応じて変化しています。近年では、治療技術の進歩により、死亡と高度障害状態だけの保障からがんに罹患した場合や、心筋梗塞、脳卒中などの重大な病気に罹患し、働けなくなった際の保障も付いた団体信用生命保険が増えています。これにより、備えられるリスクに対する保障の範囲を充実させることが可能です。
リフォームローンをおまとめできる
金融機関によっては、借り換える際にリフォーム資金を上乗せして融資を受けられるところがあります。住んでいる家にリフォームの必要性が生じた時、借り換えを行いつつリフォームローンをまとめることで、さまざまなメリットが期待できます。
一般的に、リフォームローンは住宅ローンよりも金利が高く、返済期間が短いです。また、リフォームローンには団体信用生命保険を付加できないケースもあります。
しかし、住宅ローンの借り換え時にリフォーム費用をまとめて借り入れることで、住宅ローンと同じ条件でリフォーム費用に対してもローンを組めることになります。返済期間も住宅ローンに準じ、団体信用生命保険も付加することが可能です。
住宅ローンを借り換えるデメリット
住宅ローンを借り換える際には、メリットだけでなくデメリットがある点も押さえておきましょう。以下で、起こりうるデメリットや注意点を解説します。
諸費用がかかる
住宅ローンを借り換える際には、以下のように諸費用が発生します。
- 一括返済手数料
- 抵当権抹消費用
- 事務手数料
- 印紙代
- 抵当権設定費用
- 保証料
- 司法書士への報酬
場合によっては、諸費用の合計が100万円近くになるケースもあります。借り換えを検討している場合は、得られるメリットと負担する諸費用を考慮して、トータルで考えることが大切です。
手間が発生する
住宅ローンの借り換えでは、手続きを進める過程でいくつかの手間が発生します。
借り換え先の金融機関で口座開設を行ったり、改めて審査を受けたりしなければなりません。
事前審査や本審査を受けるための書類を用意するだけでなく、現在の借入先に繰り上げ返済のタイミングを連絡する等、借入先と借換先の2社とのやり取りが発生する点は押さえておきましょう。
なお、金融機関によっては審査に通過できないケースも考えられる点にも留意すべきです。
住宅ローン借り換えの流れ
住宅ローンの借り換えを行う際には、以下のような流れで進んでいきます。
- 借り換え先を選定する
- 借り換え先で仮審査を受ける
- 借り換え先で本審査を受ける
- 現在の借入先に完済の連絡をする
- 契約手続きを完了させる
- 融資実行、借り換え先での返済を開始する
複数の金融機関で条件を確認し、有利な条件での借り換えが見込めるところを探しましょう。金利だけでなく、団体信用生命保険や手数料等も考慮することが大切です。
なお、事前に借り換えによって抑えられる返済額と必要な諸費用をシミュレーションし、借り換えのメリットがあるのかを確認しましょう。
借り換えできないケースとは
「住宅ローンを借り換えたい」と考えていても、以下のように、状況次第では借り換えができないケースがあります。
- 収入が減少している
- 転職して間もない
- 不安定な雇用形態になった
- 信用情報機関に延滞情報をはじめとしたマイナスの情報が登録された
- 病歴や既往歴があり健康状態に問題がある
借り換え先の金融機関としては「きちんと返済してもらえるかどうか」を重視します。貸したお金が返ってこない貸し倒れが発生すると、金融機関にとって損失となるためです。
収入の安定性や健康状態に不安がある場合は、借り換え先の審査に通過できない可能性がある点は知っておきましょう。
住宅ローンを借り換える際の注意点
住宅ローンを借り換える際には、いくつか注意すべき点があります。
借り換えのタイミングの見極めが必要
住宅ローンの借り換えは、金利が下がっているからといって、いつ行っても返済額を軽減できるわけではありません。一般的に、以下の条件に該当する場合は借り換えを行うことで負担を軽減できる可能性が高いです。
- ローンの返済期間が残り10年以上ある
- ローンの残高が1,000万円以上ある
- 借り換え先の住宅ローンが契約中のローンより金利が1.0%以上低い
ただし、上記の条件に該当しているからといって、必ずしも返済負担を軽減できるとは限らない点に留意しましょう。
既存の住宅ローンの契約内容は事前に確認
既存の住宅ローンの契約内容を確認し、本当に借り換えることが経済的によいのか確認しましょう。ローンの残債・返済期間・金利だけでなく、団体信用生命保険の保障内容等も忘れずにチェックしてください。
住宅ローンを借り換える際には、金利に意識が向きがちです。メリットを享受するためにも、団体信用生命保険や毎月の返済額の変化等、細かい点まで確認することが大切です。
返済期間を短縮する場合、毎月の返済額が増加
借り換えに伴って返済期間を短縮する場合、総返済額は抑えられても毎月の返済負担が重くなる可能性があります。
住宅ローンの返済負担が重くなり、当面の生活に支障が出てしまうと本末転倒です。金利や総返済額だけでなく、日常生活に支障が出ないかも確認しましょう。また、返済期間が短くなると、団体信用生命保険の保障期間も短くなります。団体信用生命保険加入にともない生命保険の保障を少なくしている場合には、団体信用生命保険の保障期間満了後に必要な保障の備えがあるかも確認しましょう。
借り換え先選びのポイント
住宅ローンの借り換えを検討している場合は、申し込む前に確認すべきポイントがいくつかあります。借り換えのメリットを大きくするためにも、以下で解説する内容を意識してみてください。
借り換えの目的に合っているか
住宅ローンの借り換えを行う目的を事前に整理し、目的を達成できそうか確認しましょう。例えば、できるだけ総返済額を抑えたい場合と月々の返済額を抑えたい場合では、それぞれに合った借り換え方法があります。
目的に応じて、選ぶべき金利タイプや返済期間は異なるため、きちんと目的を整理しておきましょう。
借り換えの諸費用を確認する
住宅ローンの借り換えに際しては、数十万円程度の手数料が発生します。必要となる諸費用は金融機関によって異なるため、比較検討しましょう。借り換えに伴って総返済額が減っても、それ以上の手数料が発生するとトータルでマイナスです。経済的なメリットを受けるためにも、手数料のシミュレーションを行うことは大切です。
付帯サービスが充実しているか
金融機関によっては、借り換えをした契約者に対して、自社・関連会社のサービスを優遇条件で利用できる付帯サービスを提供しています。多くの方にとって、住宅ローンを借り換える主な目的は「返済負担の軽減」や「金利タイプの変更」ですが、付帯サービスも確認するとよいでしょう。
日ごろから利用するサービスで優遇が受けられれば、日常生活でメリットを享受できる可能性があります。金融機関独自の付帯サービスや特典が用意されているため、借り換え条件とあわせて確認してみてください。
住宅ローンの借り換えは比較検討が重要に!
住宅ローンの借り換えは、さまざまな条件や事情を考慮して行う必要があります。金利や金利タイプだけに意識が向いてしまうと、トータルで見た時に「借り換えない方がよかった」となるケースが考えられます。
多くの金融機関が住宅ローンの商品を用意している中で、自分に合った借り換え先を見つけるのは簡単ではありません。また、複数の金融機関でシミュレーションを行うのも手間がかかります。
「ほけんの窓口」は、家計状況やライフプランに合った借り換え選びの他、ライフプランシミュレーションを行いつつ、仮審査申込みのサポートまでいたします。
対面だけでなく、オンラインでの相談も可能なので、住宅ローンの借り換えを検討している方は一度相談してみてはいかがでしょうか。