NISAのつみたて投資枠はいつでも引き出し可能?
引き出す方法や手数料も紹介
NISAのつみたて投資枠はいつでも引き出し可能?引き出す方法や手数料も紹介

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2024年から改正されたNISA制度では、つみたて投資枠と成長投資枠の2つの枠が用意されています。どちらの枠でも運用している資産は、いつでも自由に引き出せます。

ライフステージの変化やライフイベントの発生に伴ってお金が必要になったら、運用を継続した場合と引き出した場合のメリット・デメリットを確認するとよいでしょう。   

今回は、つみたて投資枠の運用資産を引き出す方法や手数料、引き出す際の注意点を解説します。なお、本記事ではより初心者の方の利用率が高いつみたて投資枠にフォーカスして解説します。

NISAのつみたて投資枠からは現金をいつでも引き出せる?

つみたて投資枠で運用している資金は、いつでも自由に引き出せます。手続きから実際に現金を受取るまでには、数日~1週間程度かかりますが、必要な時に必要な分だけ引き出せる(運用している金額が上限)ため、資金ニーズに対して柔軟な対応が可能です。

資金を引き出す目的に制限はありません。NISAはそもそも国民の資産形成を支援するために設けられた制度で、教育資金や老後資金、住宅資金等さまざまな資金を用意する目的で活用できます。

NISAのつみたて投資枠の引き出しの手順

つみたて投資枠で運用している資金を引き出す際の具体的な手順を解説します。

つみたて中の商品を確認する

NISA口座を開設している金融機関の口座にログインし、つみたて投資枠で運用中の商品を確認します。「どの商品をいくら保有しているのか」「どの商品を売却して現金化するのか」を検討しましょう。

売却したい商品を選択する

運用中の商品を確認したら、売却したい商品を選択しましょう。複数の商品を運用している場合、「引き続き運用し続けたい商品」「一部または全部を引き出してもよい商品」を分けます。

金額や口数を入力する

運用している商品の中で、現金化する商品を決めたら売却する金額または口数を入力します。最新の基準価額を参考にして、金額や口数を決定しましょう。

商品の売却が完了する

注文内容を確認した上で問題がなければ「注文」ボタンを押し、証券口座の暗証番号を入力すれば売却手続きが完了します。

なお、国内市場に投資するファンドの場合は申込日と同日、海外市場に投資する場合は翌営業日に約定するのが一般的です(約定にかかる日数は商品によって異なります)。

証券口座に現金が入金される

売却が完了したら、証券口座に現金が入金されます。売却額が出金可能額画面に反映されているため、確認しましょう。

指定銀行に出金手続きを行う

売却後、証券口座の出金可能額画面に反映されたことを確認したら、指定銀行に出金する手続きを行いましょう。指定した銀行口座へ振り込まれるまでに1週間程度かかることもありますが、インターネットバンキング経由であれば当日に入金されることもあります。

指定の銀行口座へ入金されたら、その資金を引き出して自由に使うことが可能です。

NISAのつみたて投資枠の引き出し手数料はいくら?

NISAのつみたて投資枠で運用している投資信託を売却して現金化する際に、手数料はかかりません。

しかし、投資信託の商品によっては「信託財産留保額」と呼ばれる、解約時に発生する手数料が設定されていることがあります。信託財産留保額は、投資信託の解約によって発生する売却コストを投資家が負担する仕組みです。

通常、解約時の基準価額に対して一定の割合(0.1%〜0.5%程度が一般的)で計算され、解約時の基準価額から差し引かれます。信託財産留保額が設定されている投資信託を売却する際には、売却金額の一部が手数料として差し引かれる点に注意しましょう。

なお、信託財産留保額が発生するかどうかは、投資信託の「目論見書」で確認できます。

現金化した資金を指定した銀行口座に振込(出金)してもらう際、金融機関によっては手数料がかかる場合があります。

NISAのつみたて投資枠の引き出しに関する注意点

NISAのつみたて投資枠は、柔軟に運用資産を引き出せるメリットがある反面、元本割れが発生したり運用をやめることにより複利効果が得られなくなったりするデメリットがあります。

元本割れしている場合がある

投資信託は株式や債券をはじめとしたリスク資産のため、元本割れのリスクが伴います。投資をする以上、元本割れのリスクをゼロにはできません。

現金化して引き出すタイミングで運用状況が不調だと、元本割れしている場合がある点に注意しましょう。

複利効果が得られなくなる

複利効果とは、運用で得た利益を元本に加え、その合計金額に対して再度利益が発生する仕組みです。時間が経つにつれて運用している資産が雪だるま式に増え、より多くの運用益を得られることが期待できます。

しかし、運用をやめて資金を全額引き出したり、利益が出る度に引き出したりしてしまうと、複利効果を得られなくなります。複利効果を得られなくなると、効率よく資産を増やしにくくなる点に注意しましょう。

効率よく資産を増やしたいのであれば、できるだけ長期にわたって運用する必要があります。資金を引き出す時には、本当に引き出す必要があるのかを慎重に判断しましょう。

即日現金化はできない

つみたて投資枠の運用資産を現金化する時、即日で現金化はできません。売却の注文をしてから銀行口座に入金されるまで、数日~1週間ほど時間がかかるのが一般的です。

売却したその日の内に現金化できないため、「当日中にお金を用意したい」ニーズには対応できません。運用資産を引き出す際には、実際に自由に使えるようになるまでに、ある程度の日数がかかる点を織り込んでおきましょう。

NISAのつみたて投資枠は全額引き出さない方がよい?

つみたて投資枠で運用している資産は、全額引き出すか一部引き出すか柔軟に選択できます。必要な分だけ引き出したい場合は、全額引き出すのではなく、金額指定か口数指定で一部引き出すとよいでしょう。

運用資産をすべて売却してしまうと、タイミングによっては元金を割り込む可能性があります。その後また価格が上がっても売却できる資産がないため、利益を得るチャンスを失う可能性が考えられます。

資金面で問題がある場合には、全額売却や一部売却以外にも、積立金額を減額したり、一時的に積み立てを停止したりする方法も考えられます。「できれば引き続き運用したい」と考えている場合は、家計に無理のない範囲で、引き出し以外の選択肢を検討してみてください。

運用している資産を引き出すタイミングとして多いのは、ライフステージに変化が起きた時やライフイベントが発生した時でしょう。NISAは引き出せるタイミングが自由で柔軟性に富んでいる強みがあるため、お金が必要になったら引き出して、資金需要に対応しましょう。

必要に応じて、専門家へ「いくらの資金を引き出せばよいか」「無理なく運用を続けられる金額はいくらか」「家計を改善する余地があるか」を相談するのもおすすめです。

NISAのつみたて投資枠を引き出す際は十分に検討しよう

NISAのつみたて投資枠で運用している資金は、いつでも自由に引き出せます。また、全額ではなく一部の引き出しが可能なので、お金が必要になった時は必要な分だけ引き出すとよいでしょう。

ただし、運用している資産を引き出すタイミングによっては元本割れが発生したり、運用資産が減ることで得られる複利効果が得られなくなったりしてしまうデメリットがあります。引き出すデメリットを踏まえつつ、家計状況に合わせて慎重に判断しましょう。

なお、分散効果を享受できる投資信託を選び、できるだけ長期の運用期間の確保で元本割れのリスクは軽減できます。つみたて投資枠で運用する際には、分散投資と長期投資を前提に考えるのがおすすめです。

NISAの引き出しについて専門家の意見を求めたいときは、ぜひ「ほけんの窓口」をご利用ください。

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