新NISAではロールオーバーはどうなる?
旧NISAの運用方法についても解説

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2023年以前の旧NISAにはロールオーバーの仕組みがありましたが、新NISAにはありません。旧NISAを行っていた人は、非課税保有期間が終了するタイミングでロールオーバーすべきか判断する必要があります。

また、旧NISA口座で運用しつつ新NISAでも運用を行う場合、旧NISAをどのように扱うべきか迷うこともあるでしょう。効率よく資産形成を行う上で、旧NISAで運用している金融商品をどうすべきか考えることは重要です。

こちらの記事では、旧NISAのロールオーバーの仕組みや運用方法を解説します。

ロールオーバーとは

ロールオーバーとは、非課税期間が終了する時に新しい非課税投資枠へ金融商品を移すことです。

旧NISAの一般NISA口座の非課税保有期間は5年間ですが、ロールオーバーすれば最長10年間にわたって非課税で保有できます。より長期的に資産運用したい方にとって、ロールオーバーは検討すべき選択肢です。

しかし、2024年からNISA制度が新しくなったことで、2024年以降はロールオーバーができなくなりました。

新NISAにはロールオーバーがない

新NISAは、非課税保有期間が無期限となっているためロールオーバーの仕組みがありません。資金が必要になるまで長期的に運用でき、投資をする人にとって意思決定がシンプルな制度設計になりました。

旧NISAでは、非課税保有期間が終了するタイミングでロールオーバーする以外に、課税口座へ移すか売却するという3つの選択肢から選ぶ必要がありました。

しかし、新NISAは売却するまでは運用期間に関係なく非課税で運用できるため、そもそもロールオーバーというルール自体がなくなります。

旧NISAから新NISAの口座へはロールオーバーできない

旧NISAと新NISAはそれぞれ異なるルール、異なる非課税枠で運用します。そのため、旧NISAから新NISAの口座へロールオーバーはできません。枠組みそのものが違うため、それぞれ独立した制度と考えてください。

旧NISAで運用している商品を新NISAへ移管したい場合は、旧NISA口座で売却したあとに新NISA口座で買い直す必要があります。このように、旧NISAから新NISAへ直接資産を移せず、多少の手間がかかる点には注意しましょう。

ジュニアNISAは18歳まで自動的にロールオーバーされる

18歳未満の方を対象としているジュニアNISAは、口座開設者が18歳になるまで自動的にロールオーバーされます。

ジュニアNISAは、2023年で制度そのものが終了しました。しかし、口座開設者が18歳になるまで(1月1日時点で18歳である年の前年12月31日まで)継続管理勘定で非課税保有ができます。

ただし、ジュニアNISAから新NISAへのロールオーバーはできません。新NISA口座を開設できるのは18歳以上の方が対象なので、未成年者は利用できないためです。

なお、ジュニアNISA口座にある資産を引き出す時は、口座そのものを解約する必要があります。一部の引き出しはできず、保有している商品はすべて売却する必要がある点には留意しましょう。

旧NISA口座の運用方法について

以下で、現在保有している旧NISA口座の扱い方やメリットをできる限り活かす方法を解説します。

旧NISA口座を保有しつつ新NISA口座でも資産運用をしている方は、参考にしてみてください。

新NISA口座との併用が可能

旧NISAと新NISAは別制度なので、併用できます。別々で運用できることは、非課税で運用できる枠が増えることを意味します。

例えば、旧NISA(一般NISA)で非課税枠いっぱい投資している人の場合、2024年時点では480万円(2020年から2023年までの4年分×120万円)を保有可能です。加えて新NISAも利用すれば、2024年中にできる非課税投資額は840万円(360万円+480万円)です。利用できる非課税枠が多ければ、より効率よく資産を増やせるでしょう。

旧NISAで非課税運用できるのは、買い付けた年から最長5年間です(つみたてNISAは最長20年間)。非課税保有期間が終了したあとに新NISAの投資枠が余っていれば、旧NISAで運用していた資産をいったん売却してから新NISAへ回し、非課税運用を行うとよいでしょう。

売却を急ぐ必要はない

新NISAでの資産運用を開始したあとでも、旧NISA口座内の資産を急いで売却する必要はありません。市場の状況を見ることは大事ですが、旧NISA口座にある商品は、売却する必要がなければ非課税保有期間が終了するまで保有すればよいでしょう。できるだけ長く運用することで、複利効果を得ながら非課税で運用できるメリットを享受できます。

旧NISAでは、新たな買い付けができません。一度売却すると非課税枠は利用できなくなるため、その後に値上がりをした時に利益が非課税になる恩恵を逃してしまいます。

つまり、急いで売却すると非課税枠が利用できなくなり、機会損失につながる恐れがある点に注意しましょう。

課税口座へ移管後は非課税期間満了時の時価が基準となる

旧NISA口座から課税口座へ移管すると、非課税期間満了時の時価を基準として、運用益が課税対象となります。

当該金融商品を買い付けた時の価格ではなく、非課税保有期間が終了した時の時価を基準とする点に留意しましょう。

例えば、150万円で買い付けた金融商品が100万円になったタイミングで課税口座に移管した時、100万円を基準に損益を判断します。

当初の買い付け価格より低い価格でも、100万円よりも値上がりしたタイミングで売却すると値上がり部分が課税対象となり、本来払う必要のない税金を払うことになるかもしれません。例えば、110万円になった時に売却すると、値上がり益が10万円とみなされ課税されます。100万円よりも値下がりしたタイミングで売却した時は税金が発生しません。

なお、特定口座へ移管したあとに発生した配当金・分配金は課税対象となります。

旧NISA口座の資産を新NISAに移行したい場合は?

旧NISA口座にある資産を新NISA口座へ移行したい場合は、資産を売却した上で、新NISA口座で買い直す必要があります。

同じ商品を同じ日に売却と購入を行えば、実質的にロールオーバーしたと考えることができます。旧NISAで非課税保有期間の終了を控えており、引き続き非課税で運用したい場合は売却してから再度買い直すとよいでしょう。ただし、売却、買い付けの双方で手数料がかかる可能性もあるため、口座のある金融機関の手数料体系を確認することが大切です。

なお、旧NISAと新NISAでは対象となっている金融商品が異なります。金融商品次第では、新NISAで購入できない恐れがある点に注意しましょう。

NISA口座の移行について詳しく知りたい方は「旧NISAから新NISAへの移行手続きは必要?切り替える時の注意点も解説」をあわせて確認してみましょう。

運用方法に迷ったらプロに相談するのもひとつの手段

ロールオーバーの仕組みは複雑なので、旧NISAの非課税保有期間の終了を迎えると判断に迷う事態が起こり得ます。また、運用方法に関して疑問を感じることもあるでしょう。

運用方法に迷ったら、資産運用のプロに相談するとよいでしょう。「ほけんの窓口」では、旧NISAと新NISAの違いはもちろん、状況に応じた運用方法を提案いたします。

資産形成のプロが、銘柄選びや運用の相談等にトータルで対応するので、投資全般に関して疑問や不安がある時はお気軽にご相談ください。

ほけんの窓口グループ株式会社 金融商品仲介業者 関東財務局長(金仲)第1020号
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