投資信託とNISAの違いは?それぞれのメリットや注意点を紹介

これから投資をしてみようと思う人のなかには、投資信託とNISAの違いがわからなかったり、どちらを選べばいいか迷ったりしている人もいるのではないでしょうか。どちらも資産形成していく上で上手く利用したいものですが、それぞれまったく異なるものです。
この記事では、投資信託とNISAの違いや仕組み、それぞれのメリットや注意点について解説します。投資信託とNISAの違いを知り、資産形成に上手く取り入れてみましょう。
投資信託とNISAの違い
投資信託とNISAの違いは、投資信託が「金融商品」であるのに対し、NISAは「制度」であることです。金融商品には預貯金や株式、債券、保険等さまざまな種類があり、投資信託は金融商品のひとつです。一方、NISAは資産運用における制度のひとつであり、一定の決まりが設けられています。NISA制度を利用する際に、投資信託という金融商品を選んで購入するイメージです。
両者の違いを理解しやすいように、以下の表に投資信託とNISAの違いについてまとめました。
投資信託 | NISA | |
---|---|---|
分類 |
資産運用するための金融商品 | 資産運用に利用できる非課税制度 |
対象年齢 | 原則、年齢を問わない | 満18歳以上(口座開設する年の1月1日時点で満18歳以上) |
取引する際の口座 | 一般口座・特定口座・NISA口座 | NISA口座 |
年間投資上限額 | 制限なし | 360万円 |
運用商品 | 投資信託 | つみたて投資枠:一定基準を満たす投資信託(ETFを含む) |
利益に対する税率 | 20.315% | 非課税 |
非課税期間 | ― | 無期限 |
投資信託とは?
投資信託とは、多くの投資家から集めた資金を運用会社がまとめて投資して、運用によって得られた収益を投資家に分配する仕組みの金融商品です。投資対象は投資信託によって異なり、国内外の株式や債券等、さまざまな資産に分散して投資するのが一般的です。
運用会社の運用方針や運用目標等により、株式や債券、業界、地域等の組み入れ配分が異なるさまざまな投資信託があります。
NISAとは?
NISAは、「Nippon Individual Savings Account」を略したもので、日本語では「少額投資非課税制度」といいます。一定額まで、投資で得られた利益や配当金や分配金が非課税になる制度です。NISAを取り扱っている証券会社や銀行、郵便局等の金融機関でNISA口座という専用の口座を開設し、その口座内で投資信託や株式等、対象となる金融商品を購入します。非課税で投資できる制度であるため、購入した金融商品から得られる分配金や配当金、売却した際に得られた売却益等に通常の投資だと約20%かかる税金がかかりません。
投資信託のメリット
投資信託には、資産形成をしていく上でのメリットがいくつかあります。以下で投資信託の主なメリットを紹介します。
少額から投資できる
投資信託は多くの投資家から集めたお金をまとめて運用するため、一人ひとりは少額から投資することが可能です。金融機関ごとに最低購入金額が異なり、なかには100円や1,000円から購入できる金融機関もあります。投資は損をしそうでこわい、難しそうでなかなか踏み切れないと敬遠する人もいるかもしれませんが、少額であれば初心者でもチャレンジしやすいでしょう。
年齢制限がない
NISAは18歳以上からしか利用できませんが、投資信託は未成年でも購入可能です。最近では、学校教育のなかでも金融に関する教育が取り入れられるようになりました。子ども自身が投資に取り組んでみようと思ったり、親が子どもに対して投資に取り組ませようと考えたりするご家庭もあるでしょう。投資信託は年齢制限がなく、かつ100円程度から投資できるため、初めての投資を実体験するのにも向いています。なお、未成年者の年齢によっては親(親権者)が取引主体者となります。
コツコツ継続しやすい
投資のリスクを抑えるためには、分散投資するのがよいといわれています。分散投資とは、例えば株式や債券、投資信託等リスク・リターンの性質が異なる商品をいくつかに分けて投資したり、購入するタイミングを分けて投資したりすることです。
投資信託は複数の資産が組み入れられた金融商品であるため、ひとつの投資信託を購入することで、組み入れられている資産へ自動的に分散投資が可能です。また、少額で継続的に積立購入できるため、コツコツとタイミングを分けて継続的に投資を続けやすいメリットがあります。個別銘柄を購入して分散投資をしようとすると一般的に多くの投資資金が必要になりますが、投資信託を活用すれば手軽に分散投資ができるでしょう。
損益通算ができる
投資信託には損益通算ができるというメリットもあります。損益通算とは、利益から損失を差し引いて、利益を少なくするものです。税金は利益に対してかかるため、運用でマイナスになった資産がある場合には、損益通算をすることで課税対象額を小さくすることが可能です。
例えば、2つの投資信託(AとB)を保有していて、Aで10万円の利益が生じ、投資信託Bで5万円の損失が生じた場合、AとBを損益通算すれば5万円が課税対象となります(10万円-5万円)。なお、上のAとBの例で、例えばBの損失がAの利益よりも大きく、損益通算してもマイナスとなる場合は差し引いた残りの損失分を翌年以降に繰り越す「繰越控除」を利用できます。
投資信託の注意点
投資信託には注意点もあるため、投資信託の購入を検討する際には以下のような点に注意しましょう。
元本割れのリスクがある
投資信託は日々価格が変動します。これは、投資信託が価格の変動する株式や債券等を組み入れているためです。そのため、投資信託を売却するタイミングによっては売却価格が購入価格を下回っている場合があり、元本割れとなるリスクがあります。
運用益に税金が課される
投資信託で得られる利益には、20.315%の税金が課せられます。そのため、投資信託で利益が得られても最終的に手元へ残る利益は8割程度となります。なお、利益に20.315%の税金が課されるのは投資信託をはじめとした有価証券だけではありません。
銀行預金の利息にも同率の税金が課されるため、資産運用に関わる利益には、原則として税金が課されます。
手数料がかかる
投資信託は、購入・保有・売却の各時点で手数料がかかります。なかでも、運用会社や販売会社等に支払う「信託報酬」という手数料は、投資信託を保有している間ずっとかかり続けます。手数料が少ない投資信託がよいとは限りませんが、手数料は投資家にとって確実なマイナスリターンです。投資信託を選ぶ際には、手数料等も加味して決定することが大切です。
NISAのメリット
NISAにはいくつかのメリットがありますが、なかでも投資で得られた利益に税金がかからないことは大きなメリットです。通常なら利益の20.315%が税金として徴収されますが、NISAであれば利益を全額受取れます。税金はせっかく得られたリターンを削る要素のひとつであるため、非課税で運用できるNISAは資産形成をする上で大きなポイントとなるでしょう。
また、NISA制度は2024年1月に改正され、非課税期間が無制限になりました。改正前は一般NISAとつみたてNISAのどちらを利用するかによって、5年あるいは20年と非課税期間に制限がありましたが、改正により長期的な運用が可能となっています。
加えて、非課税保有限度額が最大1,800万円と改正前のNISAから大幅に拡大されました(改正前の一般NISAは最大で600万円、つみたてNISAは最大で800万円)。より長く、より多く非課税での投資ができるようになったことで、自分のペースで効率的な資産運用をしやすいのもメリットです。
NISAの注意点
NISAを利用するにあたっては、以下の点に注意しておきましょう。
投資できる金融商品に制限がある
NISAを利用して投資できる金融商品には、一定の制限があります。NISAの成長投資枠では、上場株式や投資信託(ETFやREITを含む)に投資できます(※)。つみたて投資枠では、金融庁が定める基準を満たした投資信託またはETFに限られます。そのため、希望する投資信託がNISAを利用して購入できるとは限りません。
(※)整理銘柄や監理銘柄、毎月分配型、信託期間20年未満の投資信託等、一部の商品・銘柄は投資除外とされています。
損失が出た際に損益通算できない
NISAの場合、NISA口座内で損失が発生し課税口座(特定口座や一般口座)で利益が発生しても、それぞれを相殺して損益通算ができません。ただし、NISAは一時的に損失が出たとしても、長期的に投資を継続することで利益が発生する可能性の高い制度です。損失が出ても慌てずに長期保有し続けることが大切です。
投資信託とNISAの特徴を理解して自分に合う資産形成術を見つけよう
投資信託は、資産運用の専門家が国内外の株式や債券に分散投資してくれる金融商品です。一方で、NISAは投資信託や株式の運用で得られた利益が非課税になる制度です。効率よく資産形成をする上では、リスクを軽減したり手数料や税金の負担を抑えたりすることが大切です。NISA口座で投資信託を購入し、中長期的に運用することで、これらのポイントをクリアできるでしょう。
投資する際に迷うことやわからないことがあれば、専門家に相談するのもひとつの手です。
「ほけんの窓口」では資産形成の専門家として、商品・銘柄選びやNISAの上手な活用方法等、お客さま一人ひとりに合う資産形成のアドバイスをしています。投資信託やNISAの利用を検討されている方はお気軽にご相談ください。
ほけんの窓口グループ株式会社 金融商品仲介業者 関東財務局長(金仲)第1020号
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