何歳まで住宅ローンを組める?目安の年齢や申請時のポイントを紹介
何歳まで住宅ローンを組める?目安の年齢や申請時のポイントを紹介

最終更新日:

住宅ローンを組める年齢は引き上がっていますが、何歳まで組めるかは金融機関によって異なります。申込者のさまざまな情報を総合的に鑑みて審査が行われ、なかでも「完済時年齢」は多くの金融機関が重視しています。

無理なく返済するためにも、現在の年齢や今後のライフイベント、収支の見通し等を確認して自身に合った返済計画を立てましょう。

今回は、住宅ローンを組める年齢の上限や審査のポイント、年代別に気を付けるべきポイント等を解説します。

住宅ローンは何歳まで組める?

住宅を購入する際には、住宅ローンを組むのが一般的です。契約は何歳まで結ぶことができるのか、また住宅ローンを組んでいる方の平均的な年齢は何歳なのかを解説します。

70歳未満を条件としている金融機関が多い

住宅ローンを契約できる年齢は金融機関によって異なりますが、多くの金融機関は申込み時の年齢を満18歳以上70歳未満に設定しています。

ただし、申込めるからといって、必ず審査に通過できるとは限りません。

住宅ローンの審査では、貸したお金が返済されない事態に備えるために、申込者に安定した収入が求められます。そのため、例えば学校卒業直後で勤続年数も短いタイミングは収入が低いため、希望通りの条件で住宅ローンを組むのは難しいでしょう。また、完済時の年齢が80歳を超えるなど、返済期間中の収入低下が見込まれるような場合は返済能力が懸念されることがあります。

住宅ローンを組む平均的な年齢は40歳前後

住宅金融支援機構の「2023年度 フラット35利用者調査」によると、住宅ローンを組む方の年齢は30代が30.4%ともっとも多く、次いで40代の27.6%となっています。

フラット35を利用している人の平均年齢は、2023年度は44.3歳(前年度+1.5歳)となっており、2017年度以降上昇傾向が続いています。

※出典:住宅金融支援機構「2023年度 フラット35利用者調査」p4
https://www.jhf.go.jp/files/400370694.pdf

金融機関は完済時の年齢を重視

金融機関は住宅ローンの申込みを受けた時、申込者の年齢や年収、勤務状況等さまざまな要素を勘案します。なかでも、完済時年齢は多くの金融機関が重視しています。

実際に、国土交通省の「令和5年度 民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書」によると、住宅ローンの審査項目として、「完済時年齢」を挙げた金融機関の割合は98.5%でした。

「健康状態」(96.6%)や「借入時年齢」(96.0%)等も重視されている中で、完済時年齢の回答率がもっとも高い結果となっています。

※出典:国土交通省住宅局「令和5年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書」p19
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001733623.pdf

住宅ローンは何歳までに完済するのが理想的?

一般的に、住宅ローンの借入期間は数十年になります。完済する理想的なスケジュールや、できるだけ早く完済するための方法を見ていきましょう。

定年までに完済するのが無難な計画

安定した収入を得ているうちに完済できれば、退職後の居住費に関する不安を軽減できます。リタイアを検討している年齢(60~65歳)までに住宅ローンを完済する計画を立てるのが、ひとつの基準といえるでしょう。

完済時年齢を80歳未満に設定できる金融機関もありますが、高齢になるほど心身が衰えます。「働きたくても働けない」という状況になると、場合によっては年金収入や貯蓄を取り崩して返済しなければなりません。

昨今は60歳以降も働く人が増えていますが、定年後は収入が減少したり、そもそも職が見つからなかったりする可能性もあります。さまざまなリスク要因を踏まえると、定年までに完済する返済計画を立てるとよいでしょう。

一般的な返済期間は30〜35年

多くの金融機関では、返済期間を最長30~35年に設定しています。仮に、30年で返済するとして定年を60~65歳とすると、繰り上げ返済をしない場合、30〜35歳くらいまでのタイミングで、住宅ローンを組むのが理想的といえるでしょう。

なお、昨今は晩婚化や不動産価格の高騰等の状況もあり、返済期間が35年超のローンを取扱う金融機関も出てきました。返済期間を伸ばせば、月々の返済額や返済負担率を抑えられ、購入できる物件の選択肢が広がるというメリットがあります。

ただし、返済期間を伸ばすと返済スピードが遅くなるため、総支払い額が増えます。また、金融機関によっては金利が上乗せとなることがあるため、長期的にはデメリットにつながる点に注意しましょう。

繰り上げ返済を活用して返済期間を短くすることも可能

住宅ローンを契約する年齢によっては、定年までの返済が難しい、というケースがあります。定年までに完済できる可能性を高めるために有効な手段となるのが、繰り上げ返済です。

繰り上げ返済とは、毎月の返済とは別に臨時で返済することで、繰り上げ返済に充てた金額は元本に充てられます。返済期間を短縮する「期間短縮型」と毎月の返済額を減額する「返済額軽減型」があるため、定年までに完済する目途を立てたい場合は「期間短縮型」が有力な選択肢となるでしょう。

住宅ローン審査のポイント

住宅ローンの審査では、さまざまな要素がチェックされます。以下で、主にどのような点を確認されるのか見ていきましょう。

完済時の年齢や勤続年数

金融機関が完済時年齢や勤続年数をチェックする理由は、返済能力が持続するかどうかを評価するためです。

金融機関からすると、長期間にわたって安定した返済が見込める人であれば、安心してお金を貸せるでしょう。

例えば、勤続年数が長いほど雇用の安定性が高く、今後も継続的な収入が見込めると評価されやすい傾向にあります。

一方、勤続年数が長くても、定年退職後は一般的に収入が減少するため、完済時年齢も厳しく見られる傾向があります。完済時年齢が高すぎると、返済途中での大幅な収入ダウンによって返済能力が低下する可能性があるためです。

申込者の健康状態

住宅ローンは、返済期間が数十年と長期にわたるため、返済の途中で申込者の健康状態が悪化する恐れがあります。金融機関からすると返済が滞るリスク要因であるため、返済能力を維持できるかをみるために健康状態を確認しているのです。

一般的に、住宅ローンを契約する際には万一のことがあった時に保険金で借入れ残高が返済される団体信用生命保険に加入します。しかし、健康上の問題があると保険に加入できないことがあるため、住宅ローンの審査も通過できない可能性が高まります。

過去の返済実績

過去の借入れやクレジットカード利用等の返済実績のチェックを通じて、申込者の返済能力や返済に対する姿勢が評価されます。また、支払い遅延や延滞等の事故を起こしていないかどうかも確認しています。

返済実績が良好で信用情報に問題がなければ、審査においてプラス材料となるでしょう。契約の内容通りに返済できる見込みがあるかどうかを評価する上で、過去の返済実績は重要な情報といえます。

返済負担率

住宅ローンの審査において、返済負担率もチェックされます。返済負担率とは、「収入のうち、どれくらいの割合をローンの返済に使っているか」を示す数値です。

「年間の返済額÷年収×100」で計算でき、返済負担率が高いほど返済余力が小さく、長期的な返済の継続が危ぶまれます。返済負担率が低いほど審査が有利に進みやすいといえるでしょう。

【年代別】住宅ローンを組む際のポイント

住宅ローンを契約する時の年齢は、個人によって異なります。年代ごとに、住宅ローンを契約する時に気を付けるべきポイントを見ていきましょう。

30代はバランスの取れた返済負担率の設定がポイント

30代の方は安定して収入を得られる期間が長いと見込まれるため、長期の住宅ローンを組みやすいという利点があります。返済期間を長期にすれば月々の返済負担を抑えられるため、「今後の支出が増える」という場合でも、家計の調整がしやすいでしょう。

30代の方の中には、出産を控えている、小さい子どもがいるというケースが考えられます。これから教育資金が発生する点を織り込んで、月々の返済額に無理がないかを確認しましょう。

40代は頭金の設定やライフイベントへの備えがポイント

40代の方は、返済期間を30年としても完済時年齢が70代になります。定年後も働いて収入を得る必要があることも考えられ、場合によっては年金収入からの返済を余儀なくされる可能性が出てきます。

返済期間中、経済的に苦しくなってしまう事態を防ぐためにも、頭金を多く入れるという方法もあります。しかし、完済までに教育資金をはじめ他の支出が必要となるケースも考えられます。

そのため、40代の方は30代の方と同様に教育資金・老後資金も考慮したバランスの取れた返済負担を考えること、今後の支出を踏まえて無理のない頭金の金額を決めることが大切です。

年齢を重ねるにつれて老後資金を用意する必要性も高まるため、老後に向けた資産運用計画や、繰上げ返済の計画も考えておきましょう。

50代以降は老後の生活も考えた返済計画がポイント

50代以降でローンを組む場合、定年までの年数が短いため、借りられる金額が少なくなる可能性が高いです。また、返済負担が老後生活を圧迫してしまう事態を避けるためにも、可能な範囲で頭金を用意することをおすすめします。

また、退職金を受け取れる予定の方は、退職金で住宅ローンを返済する方法があります。ただし、退職金の大半を住宅ローンの返済に充ててしまうと、老後資金の用意が不十分になってしまう事態になりかねません。

そのため、50代以降で住宅ローンを契約する際には、老後資金との兼ね合いを考えることが大切です。預貯金・退職金・年金額を把握し、現実的に完済できるのかを入念にシミュレーションしましょう。

自身に合った住宅ローンを組むためのポイント

住宅ローンを契約する際には、「無理なく返済できるか」を必ず確認しましょう。返済計画を考える上で、特に注意すべきポイントを解説します。

適切な返済負担率を把握する

住宅ローンを組む際には、適切な返済負担率を把握することが欠かせません。返済負担率とは、年収に対する年間ローン返済額の割合で、無理なく返済を継続できるかどうかを判断する際に役立ちます。

例えば、年収500万円の人が年間120万円返済する場合、返済負担率は「120万円÷500万円×100=24%」です。返済負担率が低いほど収入に占める返済額の割合が低いため、無理なく返済できると考えられます。

一般的に、返済負担率が20%程度であれば、無理なく返済できるといわれています。シミュレーションした結果、返済負担率が高かった場合、頭金を増やしたり返済期間を長くしたりする対策が求められるでしょう。

年齢に応じたライフイベントを想定する

住宅ローンを組む際には、今後自分の人生で起こりうるライフイベントを想定することが大切です。「今の収入で返せるか」だけを考えるのではなく、以下のようにさまざまなライフイベントが発生する可能性を織り込みましょう。

  • 結婚・出産
  • 子どもの進学
  • 親の介護
  • 定年退職

収入が減ったり、手元の預貯金が大きく減少したりするイベントを無視すると、将来的に返済が厳しくなるリスクがあります。

特に、出産・育児のための資金や教育資金は、住宅ローンの返済期間と重なる可能性が高いでしょう。年齢が高まるにつれて、老後資金を確保するための準備も進めなくてはなりません。

ライフイベント別の必要資金をリストアップした上で、無理のない返済計画を立てましょう。

自分に合った金利タイプを選択する

住宅ローンを組む際には、自分に合った金利タイプを選択しましょう。住宅ローンには以下3つの種類があり、それぞれ特徴が異なります。

特徴向いている人
全期間固定金利型

・借入れから完済まで金利が変わらない
・将来の返済額が確定しているため計画が立てやすい
・一般的に他の金利タイプより金利設定が高い

・金利上昇リスクを避けたい人
・月々の返済額を確定させたい人
・長期的な生活設計を重視する人

変動金利型

・市場金利の変動に応じて金利が変わる(通常半年ごとに見直し)
・当初の金利は低く設定されていることが多い
・金利上昇時には返済額が増加するリスクがある

・当面の返済負担を軽くしたい人
・短期間での繰り上げ返済を考えている人
・金利が上昇しても対応できる預貯金がある人

固定金利期間選択型(当初固定金利型)

・当初の一定期間(2年、3年、5年、10年等)は固定金利
・固定期間終了後は変動金利に切り替わるか、再度固定期間を選択する
・固定期間が長いほど金利は高くなる

・当面の返済計画を確実に立てたい人
・全期間固定金利型と変動金利型のバランスを取りたい人
・当面の安定と将来の柔軟性を両立したい人

「金利変動リスクを負えるか」「月々の返済額を固定したいか」等、さまざまな要素を踏まえる必要があります。

何通りか返済シミュレーションを行い、現在の預貯金・今後の収支の見通し・ライフイベント等を勘案して、自身に合っている金利タイプを選択しましょう。

住宅ローン審査は返済能力や完済時年齢が重視される

住宅ローンを何歳まで組めるかは金融機関によって異なりますが、一般的に70歳未満を条件としている金融機関が多く、完済時年齢は80歳未満が上限とされています。

審査の過程ではさまざまな要素が評価される中で、特に完済時年齢は多くの金融機関が重視しています。現在の年齢だけでなく、返済期間を何年に設定するのか、頭金をどの程度用意できるのかも審査に影響を与える点を押さえておきましょう。

住宅ローンを契約する際に、必ず意識すべきポイントは「長期的に無理なく返済できるかどうか」です。「ほけんの窓口」では、何度でも無料で住宅ローンの選び方や返済シミュレーション等についてご相談できるため、お気軽にお問い合わせください。

無料で保険を相談するなら「ほけんの窓口」
「ほけんの窓口」へ相談予約する

相談予約を迷っている方へ

相談会の流れや内容を詳しく紹介します

「ほけんの窓口」でできること

関連記事

新着記事