育休手当(育児休業給付金)とは?支給期間や計算方法を解説

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育休手当(育児休業給付金)とは、育児休業(育休)中の収入減少をカバーするための制度です。

育児休業中は給与が支払われない、または減額されるケースもあるため、育休手当は子育て世帯の生活を支える重要な役割を担っています。

経済的な不安なく子育てに専念するためにも、育休手当の仕組みをしっかりと理解しておきましょう。

ここでは、育休手当が支給される要件や期間、金額等の他、子育て世帯が利用できる育休手当以外の公的給付についても解説します。

この記事のポイント

  • 育児休業中は、男女ともに雇用保険から育休手当(育児休業給付金)が支給される
  • 2025年新設の「出生後休業支援給付金」を、育休手当や出生時育児休業(産後パパ育休)給付金に加算することで、休業開始前賃金の最大80%相当額が受取れる
  • 子育て期のお金について迷ったら、「ほけんの窓口」で無料相談を活用する方法もある

育休手当とは

育休手当とは、育児休業中の生活を支援するために雇用保険から支給される給付金で、正式名称は「育児休業給付金」です。

育児休業中は給与が支払われない、または減額されることが一般的です。そのような収入減少をカバーするために、一定の要件を満たした雇用保険の被保険者に対して支給されます。

近年は育児と仕事を両立しやすい環境づくりが進められており、男性の育児休業取得も広がっています。

厚生労働省の「令和6年度 雇用均等基本調査 事業所調査結果概要」によると、育児休業取得率は女性が86.6%、男性が40.5%です。

育休手当は男女を問わず利用できるため、育児休業の取得を検討する際は、あらかじめ支給要件を確認しておくことが大切です。

育休手当の主な支給要件は、雇用保険の被保険者であることを前提として、以下のとおりとなります。

<育休手当の主な支給要件>

  • 原則として、1歳未満の子どもを養育するために育児休業を取得した被保険者(2回まで分割取得可能)
  • 育児休業開始日の前日から遡って2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある(ない場合は就業時間数が80時間以上の)月が12か月以上ある
  • 育児休業中の就業日数が1か月で10日以下(または就業時間が80時間以下)である

なお、期間を定めて雇用されている場合は、上記に加えて「子どもが1歳6か月になるまでの間に労働契約期間が満了することが明らかでない」という要件も満たす必要があります。

※出典:厚生労働省「令和6年度 雇用均等基本調査 事業所調査結果概要」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/71-r06/02.pdf

育休手当の支給期間

育休手当は、原則として、子どもが1歳の誕生日の前々日までの育児休業期間に対して支給されます。

ただし、母親の場合、産後休業(出産後8週間)期間中は育児休業を取得できないため、育休手当は原則として産後休業終了後の育児休業期間から支給されます。

また、両親がともに育児休業を取得する場合は、一定の要件を満たすことで「パパ・ママ育休プラス」を利用でき、育児休業を取得できる期間を最長で子どもが1歳2か月になるまで延長することが可能です。

さらに、保育所に入所できない等の事情があるケースでは、子どもが1歳6か月まで(再延長が認められれば最大2歳まで)延長される場合があります。

なお、育児休業延長の申請に必要な確認書類や確認方法は変更される場合があるため、申請時には最新の制度内容を確認しておきましょう。

育休手当の支給期間(母親の場合)は以下の図のとおりです。

育休手当の支給期間

会社によっては、法定の育児休業とは別に、独自の育児休暇制度を設けているケースもあります。その場合でも、雇用保険から支給される育休手当の支給期間は法律上の基準に基づく点に注意が必要です。

育休手当の支給額

育休手当の支給額は、育児休業を取得する前の賃金を基に計算されます。育児休業前の賃金水準によって変わるため、人によって受取れる金額は異なります。

育休手当の支給額の計算式は、次のとおりです。

<育休手当の支給額>

・育児休業開始から180日目まで

休業開始時賃金日額×支給日数×67%

・育児休業開始から181日目以降

休業開始時賃金日額×支給日数×50%

ここでいう「休業開始時賃金日額」とは、原則として育児休業開始前6か月間の賃金総額(賞与等、一部は除く)を180で割って算出した金額です。

そのため、育児休業前の賃金が高いほど、育休手当の支給額も高くなる傾向があります。

例えば、育児休業開始前6か月間の賃金総額が180万円だった場合、休業開始時賃金日額は1万円(180万円÷180)です。

このケースでは、30日分の育休手当は、育児休業開始から180日目までは20万1,000円(1万円×30日×67%)、181日目以降は15万円(1万円×30日×50%)となります。

なお、育休手当には支給上限額が設けられており、2026年8月時点の上限額は以下の表のとおりです。

ただし、毎年8月に見直しが行われるため、最新の支給上限額については厚生労働省のウェブページ「雇用保険制度」をご確認ください。

■2026年8月以降の支給上限額(月額)

支給率67%33万2,454円
支給率50%24万8,100円

育児休業前の賃金が高かった人でも、この上限額を超えて支給されることはありません。

※出典:厚生労働省「高年齢雇用継続給付金・介護休業給付金・育児休業等給付の受給者の皆さまへ」
 https://www.mhlw.go.jp/content/001728499.pdf

育休手当の申請から支給開始までの流れ

育休手当は、原則として勤務先の会社(事業主)を通して申請します。申請から支給開始までの流れは以下のとおりです。

育休手当の申請から支給開始までの流れ

<育休手当の申請から支給開始までの流れ>

  1. 原則として育児休業開始予定日の1か月前までに、会社へ育児休業を申し出る。必要に応じて、申請書や母子健康手帳の写し等の必要書類を提出する
  2. 会社がハローワークへ必要書類を提出する
  3. ハローワークが受給資格や支給額を審査し、支給決定通知書を交付する
  4. 育休手当が支給される(以降は原則2か月ごとに申請)

なお、必要書類や申請期限は勤務先によって異なる場合があります。育児休業の取得を予定している人は、早めに人事・総務担当者へ確認しておきましょう。

育休手当以外の子育て世帯向け公的給付

子育て世帯を対象とした公的給付には、育休手当以外にもあります。

子育てと仕事を両立する上で、どのような制度を利用できるのかをしっかりと確認しておきましょう。

育休手当以外の子育て世帯向け公的給付

出生時育児休業給付金

出生時育児休業給付金とは、子どもの出生直後に取得できる「出生時育児休業(産後パパ育休)」を取得した場合に支給される給付金です。

通常の育児休業に対して支給される育児休業給付金(育休手当)とは別の制度であり、子どもの出生直後に父親が育児へ参加しやすくすることを目的としています。

出生時育児休業は子どもの出生後8週間以内に最大4週間まで休業を取得できる制度で、通常の育児休業とは別に利用できることが特徴です。一定の要件を満たした場合は休業開始前の賃金の67%相当額が支給されます。

出生後休業支援給付金

出生後休業支援給付金とは、「出生時育児休業給付金」または「育児休業給付金(育休手当)」を受給する人を対象に、給付額が上乗せされる給付金です。

子育て初期の収入減少を補い、経済的支援をより手厚くするために、2025年4月から新設されました。

出生後休業支援給付金では、一定の要件を満たした場合、既存の給付金に加えて休業開始前賃金の13%相当額が最大28日間支給されます。

その結果、支給対象期間中は、出生時育児休業給付金や育休手当と合わせて、休業開始前賃金の最大80%相当額を受取ることが可能です。

また、育児休業中は社会保険料が免除される他、育休手当等は非課税となります。そのため、給付率は80%であっても、手取りベースでは休業前とほぼ同水準となる仕組みです。

育児時短就業給付金

育児時短就業給付金とは、2歳未満の子どもを養育するために時短勤務を選択し、賃金が低下した場合に受取れる給付金です。

一定の要件を満たすと、時短勤務中に支払われた賃金の10%相当額が支給され、時短勤務による収入減少を補うことができます。

育児休業から復帰した後も、子育てと仕事の両立を支援するため、2025年4月から新設されました。

子育て世帯が検討したい主な保険

育休手当をはじめとする公的給付は、子育て世帯の生活を支える重要な制度です。しかし、子育て中には、教育費の増加や病気・ケガによる収入減少等、公的給付だけではカバーしきれないリスクもあります。

そのため、必要に応じて民間の保険で備えることも選択肢のひとつです。

子育て世帯が検討したい保険には、死亡保険、医療保険、学資保険等があります。

子育て世帯が検討したい主な保険

子ども誕生後に検討したい保険については、以下の記事をご覧ください。
子どもが生まれたら保険は必要?保険の見直しや選び方を解説

育児休業中にライフプランを考えるなら「ほけんの窓口」に相談しよう

育休手当は、育児休業中の生活を支える重要な公的給付金です。育児休業を取得する際には、育休手当の支給期間や支給額等を正しく把握し、育児休業中の家計や生活設計をイメージしておくことが大切です。育休手当以外の子育て世帯向けの給付金についても、利用できる制度を確認しておくことをおすすめします。

また、子どもの誕生は、教育費や住宅費、万が一の備え等、将来のライフプランや家族全体の保障について考えるきっかけにもなります。公的制度を踏まえた上で、現在加入している保険の保障内容を確認し、必要に応じて見直しや新たな備えを検討することも大切です。

「ほけんの窓口」では、保険のプランに関する質問や見積もり等が、何度でも無料で相談できます。

ショッピングセンター等にある店舗で対面相談ができる他、自宅からのオンライン相談も可能です。保険だけでなく、将来のライフプランについても相談できるため、お気軽にご利用ください。

「ほけんの窓口」での無料相談の流れ

「ほけんの窓口」の無料相談については、以下の記事をご覧ください。
「ほけんの窓口」で無料相談できる理由は?相談の流れやメリットを紹介

※本コラムは、2026年8月現在の税制・社会保障制度に基づき作成しております。税制・制度は将来変更されることがあります。

育休手当についてよくある質問

育休手当について、よく聞かれる疑問をまとめました。それぞれの質問について解説していますので、参考にしてください。

育休手当はいつからいつまでもらえますか?
育休手当は、育児休業を開始した日から、原則として子どもが1歳の誕生日の前々日まで支給されます。
母親の場合は出産後8週間が産後休業期間となり、その間は育休手当ではなく出産手当金の対象です。また、両親がともに育児休業を取得する場合は「パパ・ママ育休プラス」を利用して1歳2か月まで延長できます。さらに、保育所に入所できない等の事情があれば、最長で子どもが2歳になるまで支給期間を延長できることがあります。
育休手当はいくらもらえますか?
育休手当の支給額は、育児休業開始前の賃金を基に計算されます。
原則として、育児休業開始から180日目までは「休業開始時賃金日額×支給日数×67%」、181日目以降は「休業開始時賃金日額×支給日数×50%」です。
休業開始時賃金日額は、原則として育児休業開始前6か月間の賃金総額を180で割って算出します。なお、育休手当には支給上限額が設けられており、毎年見直しが行われています。
育休手当が増える制度があるそうですが、どのような制度ですか?
2025年4月に新設された「出生後休業支援給付金」を利用すると、一定の要件を満たした場合に、育休手当や出生時育児休業給付金へ休業前賃金の13%相当額が上乗せされます。
その結果、既存の給付金と合わせて休業前賃金の80%相当額(手取りベースで休業前とほぼ同水準)を受取ることが可能です。

監修者プロフィール

原 絢子
日本FP協会 AFP認定者、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

自分で保険の見直しを行ったのをきっかけに、お金の知識を身につけることの大切さを実感し、ファイナンシャル・プランナーとして活動を始める。モットーは「自分のお金を他人任せにしない」。一人でも多くの人がお金を味方につけて、自分の思い描く人生を歩んでほしいと、マネーリテラシーの重要性を精力的に発信している。FPサテライト株式会社所属FP。

原 絢子さん
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